ビットコイン「発明者」がブロックチェーン関連発明を大量特許出願

仮想通貨ビットコイン、そして、その基盤技術であるブロックチェーンの元となった論文の執筆者かつ参照実装の開発者であるSatoshi Nakamoto氏は偽名で、その正体はオーストラリア人のCraig Steven Wright氏ではないかと言われています(信憑性を疑う声もあるようですが)。そして、英国ウェブメディアThe Registerなどの報道によると同氏が関係するEITC Holdingsというアンティグア国籍の会社がブロックチェーン関係の特許出願51件を英国特許庁に行なったとのことです。

英国の特許制度はちょっと特殊で出願すると直ちに出願番号、出願人、発明の名称のみが公報に掲載されるようです。しかし、その内容は出願日から1年半経過しないと公開されません(これは日本や米国を初めとする諸国と同じです)。つまり、2017年8月頃までは、タイトルはわかるが中身はまったくわからないという部外者にとってはなんともやきもきさせられるという状況になります。

英国特許庁の公式特許データベースはそうとうお粗末なので、EITC Holdings社による今年の出願を抽出して、画面からコピペしてエクセルにまとめてみましたが、Yahoo!ニュース個人のオーサリングシステムでは表組みが作れないので、Yahoo!ボックスにPDFファイルを置きました(下は画面の一部です、全部で51件あります)。

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発明の名称だけ見ると、"Operating system for blockchain IOT devices"、”Implementing logic gate functionality using a blockchain”、” Registry and automated management method for blockchain-enforced smart contracts”等々、中身が気になってしょうがないですね。強力な特許になる可能性もあれば、タイトルだけ大げさなジャンク出願である可能性もあり、まったく読めません。

なお、これらの特許出願の出願日はみな今年ですので、仮に特許化されたとしても、出願日以前から実施していたシステムに対して権利行使することはできません(先使用権を主張できるため)。また、当然ですが、ビットコインの根幹部分は既に公知ですのでそこが特許により独占されるということはあり得ません。特許化されるとしたらあくまでもブロックチェーンの改良や応用でしょう。

なお、冒頭の記事によれば、EITC Holdings社は何と総計約400件のブロックチェーン関連特許出願を準備しているそうです。Craig Steven WrightがSatoshi Nakamotoの正体なのかどうかとは別として、ブロックチェーン関連企業にとっては気にせざるを得ない話かと思います。