ドクター中松の「守り髪」は本当に特許化も商標登録もされていました

特許第5225554号公報

#どのカテゴリーの記事にするか迷いましたが「エンタメ」カテゴリーとすることにしました。

病魔にも負けずがんばっておられるドクター中松氏ですが、先日、米大統領候補者のドナルド・トランプ氏に護身用かつら、その名も「守り髪」を寄贈する意図を表明するというニュースがありました。

記事中には「中松氏によれば”すでに特許も商標もとっている”と主張している。」ということで、特許化も商標登録も疑わしいというニュアンスで書かれています(記事を読んだ時点では私もそう思っていましたし、実際、特許を取ったと言っていても実は出願しただけだったというケースはよくあります)が、調べてみるとちゃんと商標登録も特許化もされていました。別にトランプ氏の髪型を見て思いついたというわけではなく、前からあった発明であったわけです。

商標登録は、2013年12月に登録された第5638098号です。

画像

特許は2013年3月に登録された第5225554号「護身用かつら」です。請求項はひとつしかなく、

【請求項1】

かつらにひもを付け、該かつらには錘を取り付けておき、相手にかつらを投げつけ、投げつけたら手元に戻るようにしたことを特徴とする護身用かつら。

とそのまんまの内容になっています。発明の効果の欄には「本発明は外観を整える美容の目的だけでなく、突然チカンが襲ってきたらいつでもどこでも犯罪が起こったときに使用者の身を自ら守ることが出来る。」と書かれています。

特許第5225554号公報
特許第5225554号公報

一度拒絶査定を受けた後に不服審判(の前置審査)を経由して特許化していますので、特許化にはこだわっていたものと思われます。ドクター中松氏の場合、がんばって特許化したにもかかわらず、失念したのか、もう興味がなくなったのかで、その後の特許料納付を怠ったことで権利が消滅しているパターンが多い(関連ブログ記事)のですが、この特許については登録からまだ3年経っていないので、納付の締め切りがまだ来ていません。次回の支払い期日は今年の3月21日なので是非忘れないでいただきたいものです。

日本IBM、ガートナージャパンを経て2005年より現職、弁理士業務と知財/先進ITのコンサルティング業務に従事、『ライフサイクル・イノベーション』等ビジネス系書籍の翻訳経験多数 IT系コンサルティングに加えてスタートアップ企業や個人の方を中心にIT関連特許・商標登録出願のご相談に対応しています。お仕事のお問い合わせは http://www.techvisor.jp/blog/contact または info[at]techvisor.jp から。【お知らせ】Skype/Chatworkによる特許・商標の無料相談実施中です。詳しくは上記お問い合わせ先から。

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