このままだとトヨタは2022年のWRCに参戦出来なくなる?

写真/トヨタ

本日WRCの収録があったためヨーロッパの関係者などに事前取材をしたのだけれど、その際、少々ショッキングな話を聞きました。このままだと2022年のWRCにトヨタが出られなくなる可能性も出てきたという。内容は「さもありなん」です。2022年からTOPカテゴリーであるWRカー車両レギュレーションが変更されることは決まっている。ハイブリッドの導入と、ベース車両の自由化だ。

パイプフレームの車両が認可されるため、完全なレーシングカーに市販車風のボディを被せたシルエットフォーミュラのようになるだろう。景気良ければそれもアリかもしれません。けれど今のWRカーですらお金掛かるため参戦メーカーはトヨタと現代自動車のみ。ヨーロッパじゃ東アジア選手権なんて言ってる。そして現代自動車は収益状況厳しく、2022年の参戦を発表しておらず。

フォードMスポーツについていえば、スポンサー不足で来年の参戦も危ういという。最悪、ル・マンみたいにトヨタだけになってしまう可能性ある? 一方、WRCのプロモーターは新型コロナ禍のため収益不足に悩む。トヨタだけの世界選手権などやれるワケありません。考えて欲しい。参戦する側は優勝出来るなど達成感あるかもしれないが、喜ぶのは一部のトヨタファンのみ。

シトロエンのR5車両/写真筆者
シトロエンのR5車両/写真筆者

トヨタだけになったらWRCは歴史を守るため下のクラス(R5)を最上位クラスにすることだろう。素晴らしいことにR5ならフォードMスポーツを筆頭にシュコダ、VW、シトロエン、現代自動車と5メーカー揃う。もしかしたらマレーシアのプロトンなども出てくるかもしれない。現在のR5の吸気制限を少し緩和し、ウイングサイズを大きくしてやれば迫力だって十分だ。

環境問題ウンヌンはヨーロッパメーカーが続々登場させてくる電気自動車のクラスを新設してやることで十分目的を達成出来ることだろう。そうなった時に問題となるのが「トヨタは?」です。R5車両を作るためFIAのホモロゲが必要。GRヤリス、ホモロゲを取らないと言ってるためR5を作ることも出来ない。もし参戦するのならヤリスでホモロゲを取るしかありません。

フォードのR2車両/写真筆者
フォードのR2車両/写真筆者

情報交換はお互い知っていることを伝え合うこと。ヨーロッパの関係者から「ヤリスベースのR5を開発しているのか?」と聞かれたため「してない」と答える。実際してないです。すると「2022年の開幕に間に合うのか?」。すぐ開発に着手すれば間に合うだろうが、そういった動き無し。間に合わなければ2022年開幕戦にトヨタは参戦出来ないと言うことになります。

トヨタのWRC参戦は豊田章男社長の夢の1つだと私は思っている。初めてWRCを見たフィンランドで「こんな素晴らしいイベントを日本のクルマ好きにも見て貰いたい」と感銘を受けたという。実際、WRCはクルマ文化の象徴と言って良い。良いクルマ作りにも最高の舞台になる。だからこそトヨタは日本車の中で唯一ヨーロッパ市場で販売シェアを伸ばしているのだった。

写真/トヨタ
写真/トヨタ

GRヤリスだってWRCで大暴れするため手を掛けて開発した。本来ならGRヤリスでホモロゲを取れば、GRヤリスをベースに高いパフォーマンス持つR5が作れる。FFをベースにすることで、R3tクラスやR2クラスの車両も作れてしまう。取らない、というのならすぐにでもヤリスベースのR5の開発に着手する必要があります。じゃないと本当にWRCの参戦は危うくなる。

この件、私は2ヶ月前に危惧しており、GRヤリスの開発担当に聞いてみた。残念ながら響くような答え無し。新型コロナ後も今のWRCのレギュレーションのままだと考えている様子。そもそもWRカーとR5、R2はセット。だからフォードMスポーツや現代自動車も作った。トヨタだってR5やR2は作っておくべきだと思う。「もっと良いクルマを作る」ためにも開発を始めたらよい。