ギアの操作系が悪いため「プリウスミサイル」になってしまうのか?

プリウスに限らずハイブリッド車は同じギア操作方法です 写真/ホンダ

プリウスを巡る”ウワサ”は悪意に満ちている。昨日あたりから「プリウスミサイル」という呼び方まで出てきた。検索サイトで「プリウスミサイル」と探せば動画を含め多数ヒットします。プリウスミサイルとは何か? 簡単に言えば「Nレンジにしてアクセルを開け、その状態でDレンジに入れたら飛び出すから危険」というもの。実際に試すと、どうなるだろうか?

プリウスのシフトパターン 写真/筆者
プリウスのシフトパターン 写真/筆者

本日、富士スピードウェイで『ベストカー誌』のイベントがあり、そこにプリウスやRAV4のハイブリッド車、ホンダのハイブリッド車などあったので、全て実際に試してみた。というか、この手の試験は何度もやってきたけれど、改めて様々な「意地悪試験」を行ってみた次第。結論から書くと「今まで通りのエンジン車の方がもっと飛び出します」ということになる。

そもそもプリウスを含め、ハイブリッド車に多いシフトパターン(プリウス以外のトヨタ車やホンダ車などにも多数使われている)の場合『Nレンジ』は使わない。もっといえば、Nレンジに入れようとするには多少知識が必要。シフトレバーを『N』と書いてある方向に長押ししない限り入らないようになっている。100歩譲って操作ミスでNレンジに入れてしまったとしよう(ホンダは入らない)。

その状態でアクセルを踏むと大きめの警告アラームが鳴り、警告ランプまで点く。異常な操作だからだ。普通ならココでおかしいと思うハズ。というか警告アラーム鳴ってるのに注意しないような人は「運転」という行為は止めるべきだ。そもそもハイブリッド車じゃないAT車など、NレンジはPレンジからDレンジに入れる時に通過します。ハイブリッド車よりNレンジの使用頻度は圧倒的に多い。

そしてハイブリッド車じゃなくてもNレンジからDレンジには、そのまま入る。Nレンジからバックギアにもそのまま入る。プリウスの方が「Nレンジに入りにくくく」さらに「警告アラームまで鳴る」となっており、安全性は高いほど。さらにプリウスについていえば、決定的に普通にエンジン車より安全だと言える。なぜか? エンジン掛かってない時は馬力が低いからだ。

プリウスはスタートをモーターのパワーだけで行う。モーターの出力を見ると72馬力だ。しかも72馬力はエンジン掛かっているとき出るパワーである。Nレンジではエンジン掛からないため、エネルギー源は車載の走行用バッテリーのみ。バッテリーから引き出せる出力は、38馬力ほどしかない。Nレンジ状態からDレンジにしても38馬力分の加速しかしない、ということ。

プリウスと同等クラスの乗用車に搭載される1800ccなら130馬力くらいある。Nレンジでアクセル全開にしてDレンジに入れたら簡単に入り、プリウスなど問題にならないほど猛烈なダッシュをします。参考までに書いておくと、クルマ好きからすればプリウスの弱点は「出だしが鈍いこと」である。アクセル全開でもスタートの瞬間は38馬力なのだから当然だと思う。

そんな弱点を持つプリウスが「プリウスミサイル」と呼ばれるのは専門家からすれば不思議でならない。それだけプリウス人気に煮え湯を飲まされた人達もいるということなんだと思う。加えてプリウスは初代モデルからアクセルとブレーキを同時に踏むと、パワーを落とす「ブレーキオーバーライド」が採用されている。両方一緒に踏んだら必ず止まるようになってます。