プリウスの暴走事故、ペダル配置が悪い?

シフトレイアウトも非難の対象になっている

「プリウスに暴走事故が多いのはペダルレイアウト悪いためである」という流言飛語に接した。ネタ元を探るとアクセス数の多いサイトにアップされた、運転免許すら持っていない人の記事に辿り着き、読んでみた次第。果たしてプリウスのペダルレイアウト、悪いだろうか? ちなみにネタ記事見たら現行プリウスのカタログ写真を斜めから撮影し、問題提起してる。

今まで何度かプリウスの暴走事故が発生しているけれど、大きな問題になった事案で現行プリウスは無し。先代か2代目モデルばかり。この2モデル、私はどちらも所有していた。年間20車種以上の新型車に乗るし、私自身、80台以上のクルマを乗り継いだが、現行はもちろん先代と2代目プリウスのペダルレアイアウトに違和感を持ったことなどない。

私が所有していた3代目プリウス
私が所有していた3代目プリウス

ペダルレイアウトの悪さに起因する暴走事故は、1990年代まで多く発生していた。クルマをイメージしてほしい。右ハンドル車だと車内の右前に「ホイールアーチ」と呼ばれる右前輪の出っ張りがある。したがって右ハンドル車はペダルが左側に寄る傾向。つまりドライバーは正面ではなく、やや左前を向を向かないとペダル操作出来ないと言うことになります。

一方、ドライバーがクルマに乗り込んだ直後は、身体が右側を向いている傾向。その姿勢でブレーキペダルだと思う位置を踏むと、アクセルになってしまうワケ。踏み間違いによる暴走事故、ATの普及率と共に増えていった。何とかしなくちゃならない、ということで採用されたのが「ブレーキを踏まないとDレンジに入らないロック機能」だ。

私が所有していた2代目プリウス
私が所有していた2代目プリウス

今のクルマは全てブレーキ踏まないとDレンジに入らない。ブレーキを踏むことにより、右を向き気味だった運転手の姿勢も同時に矯正されるため一段と安全性高まるという寸法。ただ信号待ちなどで『N』レンジに入れる人がいて、これだとブレーキ踏まずにDレンジとなる。暴走するというプリウスで言えばNレンジは事実上使わないため、むしろ安全です。

また「プリウスはシフトのレイアウトが解りにくく危険」という声も出ている。これまた前述のようにPレンジからDレンジまで直線で操作できるタイプのシフトレイアウトより、Nレンジを使わない(入れ方が解らない人も多いと思う)プリウスの方が安全。ミスしてもギアは入らない方向。通常の一直線シフトより間違いなく飛び出す可能性少ない。

その上でプリウスは「ブレーキオーバーライド」という機能をいち早く採用した車種でもある。ブレーキオーバーライドはブレーキとアクセルを片足で同時に踏んだ際、アクセルを戻すという制御。停止時でブレーキとアクセル両方を踏むと、アクセルが勝つ。ジワジワ前に進み、止められないのだった。私も壁際で両踏みをした経験を持っており、壁を押した。

この事故は20歳代前半のこと。ペダルを離せばブレーキも解放されるため必ず壁にぶつかる。だったらブレーキを強く踏んで、と判断したのだけれどトルコンATのトルク増幅力は強く、止まらず。その上、プリウスならブレーキが油圧のため、両方踏んでも止まる。普通のクルマはブレーキ倍力装置に負圧を使っており、アクセル開けるとブレーキ効かなくなる傾向。

ここまで読んで解る通り、プリウスはペダルレアイウトも特異性無し。ブレーキ踏まないとDレンジに入らず、ブレーキとアクセル同時に踏むと2代目モデルであってもブレーキオーバーライド付き。プリウスだから暴走する、という理由など一つも考えられません。ブレーキシステムだって油圧で強力だ。安全性という点なら優等生である。

ではなんでプリウスの暴走事故が目立つかと言えば、販売台数多いことと、比較的高価な車両価格のため高齢者が多いという統計上の理由だろう。もう一つ。3代目モデルの初期に軽微なブレーキトラブル(私が指摘して大騒ぎになったのだけれど、雪道など限られた状況でわずかに減速感が無くなる症状)などあり、イメージ的に損をしているかもしれません。