日産、ルノーがRAMA違反することを待っている!

撮影/筆者

年明けてゴーン問題はとってもイヤな展開になってきました。御存知の通り1980年代から1990年代に掛け日産もルノーも破綻しそうになったけれど、理由は社内の足の引っ張り合い。優秀なリーダーになりそうな人材出てきたら、ライバルが手を組んで引っこ抜いてしまう。1980年代以降、多くの逸材が関連会社に出されていった。ルノーも同じだと日産関係者は口を揃える。

日産とルノー、どちらも優秀な人材が多い。前に進むエネルギーとして使えば素晴らしい結果になる。2兆円の有利子負債を抱えていた日産ながら、数年で優良企業になったのを見れば解る通り。けれど政治的な動きで人事を行うようになれば破綻寸前の日産の如く、余剰人員を切れなくなり、天下り企業をたくさん作り、結果的に部品の調達コストが驚くほど上がってしまう。

実質破綻していた日産を立て直したゴーンさんは大恩人かと。ただ昨今の状況を見ると、そろそろお引き取り願った方が日産だけでなくゴーンさんにとっても良い。そんな中、日産側はこの機会にホンキでルノーと事を構える気で居るようだ。日産幹部に聞くとルノーと日産の間で結んだRAMA(アライアンスの基本合意書)をルノーが破るのを待っており、その時点で日産はルノーの株を買い増すことを考えているという。

「日産の経営判断にルノーが不当な干渉をしたら日産の判断でルノー株を買い増せる」というRAMAの内容に抵触するためだ。日産側が主張する「ルノーによるRAMA違反」という項目はいくつかあるという。RAMAでは日産の取締役が7人なら4人を日産側から。9人であれば5人の過半数以上を日産側から出すことになっている。それに加え「日産が提案した取締役人事を否定してはならない」という内容もある。

つまりルノー側の取締役を過半数以上にすることはRAMA違反になるということ。今までは実質的にゴーンさんが絶対的な権力を持っていたため、過半数どころか西川社長を含め取締役会で常に全会一致だったそうな。ゴーンさん去った後、ルノーやフランス政府が(フランス政府の介入もRAMA違反になる)、日産の経営に介入してきたら、その時点で協定違反と判断するつもりだろう。

現在日産はルノーの株を15%持っている。これを25%へ買い増せば、その時点でルノーが日産に対して持っている議決権を失う。対等の関係になると言う日産の主張だ。とはいえ現在日産の株を43%持っているルノーが、7%買い増して50%を超えたら、やはり日産に対する絶大な権利を持つ。RAMAよりもっと厳しい管理をしてくる可能性大きい。今後の展開は全く予想出来ない。

ここにきて日産もルノーもゴーンさんも情報戦を繰り広げ始めた。日産はゴーンさんを悪役に仕立てたいため、リークという形で情報を出す。すでにそういった報道記事も多数出ている。日産の凄いところは日本のメディアだけでなく海外のメディアも利用していること。とは言えルノーもゴーンさんも同じようなことをしてくるだろうし、もっと老獪かもしれません。「自動車を売る企業」と関係無い場外乱闘が始まった。

日本や自動車ファンにとって最も重要なのは、日産という利益を上げている企業が今後も健全でいることであり、同時に魅力的なクルマを販売し、選択の幅を持たせてくれること。厭戦気分、日産社内にも流れている。場外乱闘を繰り広げている皆さんに御退場願い「一日でも早く新しい日産とルノー、三菱自動車の健全かつ前向きなアライアンスを再構築すべきだと報じて欲しい」と、たくさんの日産有志に頼まれました。