苦戦続くホンダF1、本当の状況はどうなのか?

写真/ホンダ

7月8日のイギリスGPは21戦行われる今シーズンの中間にあたる10戦目。ホンダF1の状況と言えば、ガスリーが予選14番手。ハートレーは3日目のフリー走行でサスペンショントラブルに見舞われ、予選までに車両を修復出来ずノータイムに終わった。状況をザックリ分析すると「一進一退。カナダGPで投入した新スペックのパワーユニットも結果を出せておらず。評価出来る結果は出せていない」ということになる。

となればホンダの雰囲気も良くないかとなれば、そんなことはないようだ。イギリスに本拠地を置くホンダF1の現地関係者によれば「実はトロロッソと組んでからいろんなことが解って来ました」。以下、ホンダ自らの分析を。まず現在の成績だけれど、あまりよくないと考えている様子。カナダから投入した新しいパワーユニットに対し期待していたようだけれど、期待通りのリザルトを残せていない。

その割に雰囲気悪くないのは、今まで考えていたよりシャシ性能の差が大きかったことにある。考えて頂きたい。ルノーのパワーユニットの場合、最も”良い”のはルノーで使われる。レッドブルのルノーはTAGというネーミングが付くけれど、ハード面についていえばルノーと同じ。なのにラップタイムを見たら、いつでもどこでもレッドブルの方が圧倒的に速い。

写真/ホンダ
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「メルセデスとレッドブル、フェラーリのシャシ性能が図抜けていて、それ以外は拮抗しているとハッキリ解りました」(ホンダ関係者)。つまり昨年まで「マクラーレンのシャシはTOPクラスだったのにホンダのパワーユニットのせいで全くダメだった」と非難されていたけれど、今やホンダ関係者の全てが「間違った認識」だと解っている。確かに今シーズンのマクラーレン、非常に厳しい。

今シーズン開幕前、先日マクラーレンを辞めたエリック・ブーリエは「ホンダからルノーに変えただけでラップタイムで1秒速くなる」とコメントしていたが、ホンダもそう思わされていたということ。絶望的な劣等感を植え付けられていたワケ。レッドブルとトロロッソのシャシ性能の差も解ってきたようだ。「現在の開発体制で頑張れば何とか戦えるメドが付いた」ということかもしれない。

また、現地で指揮を取る田辺氏はインディで戦ってきた経験を持つだけに、トロロッソ側からの信望が厚く、シャシ側と反目しあっていた昨年まで180度と変わったそうな。さらに日本側の拠点で開発を指揮する浅木氏も遅れなく、予定通りアップデートをしてくるなど、順調に回り始めたようだ。先日、本田技研の要人とF1の話をしたが、曰く「撤退するというチョイスは無くなりました。応援してください」。

となると気になるのは「いつから結果となって出るのか?」という点。現地関係者によれば「3チーム以外は実力が拮抗しています。空力パッケージやセットアップ次第で常に4チーム目になる可能性があります。このあたりはトロロッソも全く同じ意識で頑張っており、あと4戦続くヨーロッパラウンドで良いセットアップが決まれば結果を出せるかもしれません」。イギリスGPもまだ解らない?

今後の開発で最も重要なのは「どういったストロングポイントを持たせるか」ということになるだろう。メルセデスやフェラーリと同じ性能のパワーユニットを作るだけでは面白くない。第二期に投入したテレメトリーシステム(車両の情報をリアルタイムでチームに送る技術)のような、新しい”武器”を創造して欲しいと思う。