群馬県で85歳のドライバーが暴走。物損事故の頻発はクルマを手放す決定的な判断基準としたい

群馬県の前橋で85歳の高齢者が暴走事故を起こした件、昨年より物損事故など複数起こしていると判明した。「運転している車両をぶつける」という状況は典型的な認知症の症状である。もう少し詳しく説明すると「ぶつけたことを認知出来ずそのまま走り続ける」行動だ。物損事故の頻発は身内の高齢者にクルマを手放させる決定的な判断基準として使うべきだと思う。

普通、クルマを運転していて何かにぶつかると、停止して被害状況を確認するのは当たり前のこと。認知症の症状が出ると、ぶつかっても動じないケースが多い。バックミラーを落としたまま走り続けるケースすら珍しくないほど。窓ガラスの破損に気づかないことだってあるから驚く。私達の業界でもこういったケースが少なからずあり、自動車メーカーは試乗車の貸し出しを断るという対応をしている。

身内で「そろそろ自動車の運転が心配になってきた」という場合、頻繁に車両の状況をチェックして頂きたい。もし衝突の痕があったら、どこでぶつけてきたのか、やさしく質問して欲しい。「解らない」ということなら、その時点で何とかしてクルマの運転をしないよう対策すること。一番良いのはカギを隠すこと。例えば家族であっても、口頭でのお願いはたいてい納得しないだろう。

ただ高齢者だけで暮らしている世帯だと、誰もチェック出来ない。今回のような大きな人身事故を起こすまで放置されてしまう。ちなみに認知症の方が運転出来ないようにする方法はいくつかある。例えばエンジン始動に際し、日付けなどでよいから、4桁程度の数字をプッシュボタンで入力しなければならなる装置を付けるなど有効。残念ながら警察は免許証を返還させることのみ熱心で、物理的な対策に注力していない。

交通事故を起こすと、誰かが賠償責任を負わなければならない。今回の事故も本人が償うことになるけれど、任意保険に入っていなければ被害者の泣き寝入りになることも。かといって年齢だけを基準に免許証の返納を迫るのも文明国家と言えない。やはり認知症になったら運転出来ない装置や、一定の年齢になったら自動ブレーキの義務づけなどを検討した方がいいと考える。このままだと悲惨な事故はなくならない。