トヨタ、最終SSまで攻めてコースオフ&リタイア! これもラリーだ! 

WRCオーストラリア最終日は雨。しかもスコールのように強い雨域もやってくる。SSに行ってみたら果たして土砂降り。視界も極めて悪くなり、ラリーが中止になっておかしくないほど。けれどラリーはサッカーと同じく悪天候関係なし。だからこそ雪のラリーだってあるのだ。時間通りにラリー車が走ってきた。

昨日までと全く状況が変わり、表面に乗っているホコリはジェルのようになって滑る。実際、4位に付けていたシトロエンのブリーンはSS18で転倒。ボディ全周に渡るダメージを受ける派手なクラッシュ。かといって少しペースを落とせば、すぐ後続車の追い上げを受けてしまう。

大クラッシュしたブリーン
大クラッシュしたブリーン

最終日の見所は2位に付けていたトヨタのラトバラの追撃である。最終SSまでに1位現代のヌービルとの差を14,7秒まで縮めてきた。もちろんヌービルにトラブル無ければ追いつく差ではない。しかも3位タナックに11,3秒の差を付けている。ペースダウンして手堅く2位を取るという作戦だってあったことだろう。

けれどチームは攻めることを選んだ。最終SSでフルアタック! そしてコースオフのリタイア。その瞬間をライブ映像で見ていたマキネン監督は全く動じる気配無し。往年の名選手とあり「これもラリーだ」と受け入れたのかもしれない。考えてみればトヨタにとって勉強の年。

現代のヌービルが優勝
現代のヌービルが優勝

結果的にクラッシュとなったが、守って2位になるより価値はあると思う。むしろ次のシーズンまでクラッシュをエネルギーに変えて頑張れるかもしれない。もっと言えば、最後までプッシュしなければならない状況にならないようにすることも大切だ。つまり戦闘力のアップである。

考えてみたらヤリスWRCが走れるようになったのは昨年12月。加えて準備期間も短かった。強豪達とガチで戦えること自体、驚くべきこと。フィンランドで行ったエンジンのアップグレードにより、さらに戦闘力を増している。ただライバルも黙っていない。ヤリスWRCと同じような空力パーツを取り入れた。

現代も空力パーツをトヨタ風に変更
現代も空力パーツをトヨタ風に変更

現代とフォードはトヨタそっくりと言ってもいいだろう。フィンランド時点でのパフォーマンスを大ざっぱに言え、トヨタが空力100点のエンジン90点。ライバル達は空力90点のエンジン100点だった。それをライバルも空力100点にしてきた。WRCオーストラリアの時点でエンジンが少し負けていたように思う。

リアの形状がトヨタにそっくりのフォード
リアの形状がトヨタにそっくりのフォード

トヨタに聞くと十分解っているようで、来シーズンはエンジンをさらに良くしていくそうな。加えてアンダー傾向だった基本特性も改良するという。ドライバーが最終SSで無理をしなくても勝てるようなクルマ作りこそトヨタの狙いだ。来シーズンは今年以上に楽しめるかもしれない。