航続距離400kmをアピールする電気自動車『日産リーフ』。アメリカの表示では240km

(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

日産リーフの広告や記事を見ると「航続距離400kmを達成!」という表記が踊る。ここまで大がかりにアピールされると本当に400km走れると勘違いしてしまうケースも多い。結論から書けば「事実上無理に近い」。従来型リーフの場合、カタログ上の航続距離は280kmながら、現実的な航続距離だと180km程度だった。

そもそも満充電した時に表示される「走行可能距離」が190~220km程度。280kmという数字など”ほぼ”出ず、日産自らカタログ値は出ないと宣言しているようなもの。加えて電池容量が少なくなってくると「充電しなさい」という注意出る上、正確な走行可能距離も表示されなくなってしまうため最後の20kmは不安で使えない。

ということで280kmの従来型は180kmが安心して使える実用的な航続距離だった。400kmになった新型だとどうか? 従来型と同じ「カタログ値の65%」とすれば260kmということになる。「充電しなさい」という表示が出た後、電欠を心配しながら走って280~290kmといったあたり。

「400km走ることは不可能か?」と聞かれたら「誇大表示ではない」と答えておく。カタログ値280kmの従来型で280km走ったケースだってある。F1ドライバーがサーキットを走ったタイムを、普通のドライバーでは出せないのと同じ。このあたり、ガソリン車のカタログ燃費と同じだと思えばいい。

参考までに「実際の走り方に近い数字」を出すアメリカEPAの数字だと、日本表示400kmの新型は240kmで私の予想より厳しい。日本表示280kmの従来型が172kmで、私のイメージに限りなく近い。いずれにしろアメリカのユーザーは新型リーフを「240km走れる」と思って購入するということである。

・EPA(米国環境保護庁)表示の数字出なければメーカーが訴えられることも多い

ここからが本題である。「ガソリン車だとカタログ燃費と実燃費が違う」ということを皆さん認識しており、誰も真剣に受け取らない。けれど電気自動車の場合「400km走れる」と多くのメディアに出てくれば、まだ疑わないと思う。「自動運転」にも言えることながら、最近日産は誤解させる宣伝が多い。

少なくともメディアはもう少し客観的な評価をすべきだと思う。