トヨタは電気自動車技術で本当に出遅れたのか?

最近「トヨタは電気自動車化で完全に出遅れた」と言い切る一般メディアが増えてきた。むしろトヨタ叩きをすると注目されるんだろう。多くのメディアで手を替え品を替えトヨタ叩き(飛び火でホンダ叩きも)をしている。果たしてトヨタは出遅れたのだろうか?

以下、客観的な内容を。電気自動車に必要な技術は大きく分けて、1)モーター。2)直流を交流に変換するインバーター。3)走行エネルギーを電気に変えてリサイクルする回生ブレーキ。4)電池の4つ。このうち、トヨタは電池を除き圧倒的な世界一である。

まずモーター。プリウスに搭載されているモーターは60kW級(82馬力)。カムリHV用で100kW級(136馬力)。両方とも電気自動車用としてそのまま使える大きなパワーを持つ。しかも大量生産しているため驚くほど低コスト。信頼性だって抜群に高い。

インバーター技術も間違いなく世界一だ。カムリのハイブリッド用インバーターなら、一部を使うだけでそのままリーフ級の電気自動車用として使える。これまた高い効率を実現しているだけでなく、性能を考えたら驚くほどリーズナブル。競争力という点でライバルを圧倒するだろう。

決定的なのが回生ブレーキ技術。テスラも日産もアクセル戻すと強い回生を掛けている。電車の走り方をみれば解る通り、本来ならアクセル戻したら空走。ブレーキ踏んで回生が効率良い。ただブレーキペダル踏むと、従来の油圧ブレーキと回生の配分しなければならない。

この技術が超難関なのだ。トヨタのように「ブレーキペダルは単なるスイッチ。弱く踏むと全て回生。強く踏むと回生+油圧」という制御を行えるメーカーは、今のところ存在しない。電気自動車の航続距離を増やそうとすれば空走させ、ブレーキ時のみ回生をきっちり取らないとダメ。

トヨタにとって唯一の弱点は電池である。パナソニックと組んだものの、思ったようにならず。今は独自開発をすすめている。同時に中古車の電池をどうやったら有効活用出来るか考えないと、性能落ちた電池はスマートフォンと同じくゴミになってしまう。

日産を見ても解る通り、初期型リーフを買った人の下取り値は今や10万円。日産自身「ゴミと同じ価値です」と言ってるようなもの。同じ価格のミニバンなら110万円の査定が付く。容量落ちた電池を下取りし、適度な価格で交換出来るようなプログラムがないとユーザーの不利益になる。

日産や三菱自動車、テスラのように「売ったらそのまんま」というビジネススタイルもトヨタこそ電気自動車を敬遠する大きな要因。クルマに乗らない記者が多い一般メディアはユーザーの気持ちになれないのだろう。