自動運転の決定的な弱点はコスト

「間もなく自動運転の時代がやってくる」と主張する人と話をしていると、皆さん決定的な課題を無視している。コストだ。もう少し詳しく書けば、自動運転=無料だと思っているようなのだ。メディアなどに流れている情報を見ても、運転手が不要だからコスト掛からないというイメージ。果たして自動運転は安いか?

タクシーと比べたら圧倒的に安くなる可能性大。大雑把にタクシー料金の明細を計算すれば、50~60%はドライバーの人件費で20~30%が会社の利益。車両+燃料コスト20%といったイメージ。2000円タクシー代を払った場合(距離にしておおよそ6km)、利益を度外視した原価ということなら400円程度だ。

実際は管理費などでもう少し高くなる。自動運転車を勝手に走らせておくことなど出来ないし、緊急事態への対応も必要。誰かが遠隔で監視することになるだろう。その上で、燃料コストや点検コストなど必要。地方自治体が運用したとしても、車両+役所の職員の雇用コスト+管理費用は必要。タクシーの半額か。

確かに魅力的だろうけれど、この計算はウーバーなどに代表される「ライドシェア」という自動運転のライバルと同等。ライドシェアの場合、世界平均を調べてみたらタクシーの半額。ライドシェアを職業や副業という「稼ぎ」にしている人でもタクシーの半額である。それで十分に利益を上げられるという。

この時点で自動運転はコスト的にイーブン。ライドシェアはさらなる魅力がある。おそらく自動運転を利用者する人の少なからぬ割合で、介助を必要とするだろう。ライドシェアならドライバーが手伝ってくれることだろう。自動運転は乗り降りや荷物を載せたり降ろしたりするのを誰かが介助しなければならない。

もっと安価なライドシェアだって考えられる。自宅の近所から、買い物や通院などで町に行く人は必ずいることだろう。「行くついでに乗せて貰う」というライドシェアの形態なら、安くても成り立つ。極端なことを言えば、燃料代を持ってくれれば良いという人だって少なからずいるハズ。

ちなみに自動運転技術は事故を防止するための「ドライバーアシスト」手段として有効なので自動車メーカーも熱心に取り組んでいる。すでに信号無視や居眠り、疾病による心神喪失などの信号無視や一時停止無視などで自動ブレーキを掛けて速度を落とすための技術は確立されており、積極的に導入していけばよい。