ゴーン社長の日産社長辞任で三菱自動車の復興策は本格始動へ!

(写真:ロイター/アフロ)

ゴーンさんが日産の社長を退任したと報じられている。カタチとしては西川さんの社長就任により、ゴーンさんは一歩引いたように思えるかもしれない。しかし1999年以来のゴーンさんウォッチャーからすれば、まだまだ枯れていないどころか絶好調である。ゴーンさんは何を考えているのだろう?

日本にやってきた時のゴーンさんといえば「コストカッター」というイメージだろう。実際、不採算部門を容赦なくドンドン削り取った。しかし一方で「夢」や「希望」も残している。フェアレディZやGT-Rの開発にGOを出したり、少し余裕出来た時点で、日本ではムダ使いだと思われがちなレースにも復帰。

はたまた、もはや生涯使い切れないと思われる資産を持っているのに(日産からの毎年10億円。ルノーからも近い報酬を得ている)、働くことを全く厭わない。加えてゴーンさんの面白さは「厳しい状況の企業を立て直すこと」がライフワークという点にある。今や三菱自動車を立て直したくて仕方ない様子。

そのためには日産の「社長」(CEO)という肩書きは重荷でしかない。全ての責任を負わなければならないし、日産に何かあれば自分で出て行かなければならないからだ。そこで考えたのがお飾りの会長ではなく社長の上の「大社長」になるということ。ルノーと日産、三菱自動車を上手にコントロールすれば、3つの企業の業績が上がる。

そもそも人事が見事だと思う。新しく日産の社長になった西川さんは、トヨタ自動車の社長と正反対。日産の人に西川さんの人柄を聞くと、口を合わせたように「外に出たがらないので困っています」。なるほど私たち自動車メディアとも全く接触しようとしない。ゴーンさんからすればコントロールしやすいのだろう。

三菱自動車の益子さんは一度白旗を揚げた以上、積極的に動くことが難しい。これまたゴーンさんの言うことを聞くしかない状態。ルノーは未だに完全なるゴーンさんのコントロール下にある。ということで直近のゴーンさんは三菱自動車をどうやって立て直すか考えている日々を送っていると考えてよい。

敏感な投資家はすでに先を読んでおり、三菱自動車の株価はジワジワ上がっている。おそらく2年もすると三菱自動車のイメージは今とずいぶん違っていると思う。日産自動車も相変わらずゴーンさんのコントロール下のまま続く。いろんな意味で日本にとってはありがたいことだと考えた方がいい。

本当の意味での「大ニュース」はゴーンさんが本当に引退した時である。後の日産と三菱自動車を誰が舵取りをするのか解らないけれど、相当難しいだろう。