低迷のホンダF1と開幕から猛ダッシュのトヨタWRC。この違いどこからくる?

トヨタがWRC復帰戦で2位という素晴らしい結果を残した。こうなると気になるのはホンダF1。2015年の復帰戦はまともに走ることもできず、加えて1年間全く良いところを見せられなかった。大きな自動車メーカーが500億円を軽く超える予算を組んで参戦した競技で、これほど徹底的な惨敗は珍しい。

ホンダF1低迷を予想したニュース

大成功したトヨタと大失敗したホンダは何が違うのだろう? 参考までに書いておくと、ホンダのF1低迷は開幕前から容易に予想できた。上のニュースはF1開幕の1ヶ月半前のもの。若干オブラートにくるんだ内容ながら、この時点で明確に「全く話にならない」。しかも最短で1年半以上ダメだと解るほど。

開発期間の問題か? トヨタWRCの場合、2014年秋と思われる参戦決定から今シーズン開幕まで2年半。実質的な開発期間は1年間といって良い。ホンダF1といえば、本来なら1シーズン前から参戦できるタイミングだったのを「相手の実力を見たい」ということで1シーズン遅らせた。開発期間は十分である。

会社としての技術レベルも大差ない。ホンダのエンジニアだって優秀だ。「WRCの方が技術レベルが低い」と思っている人もいるようだけれど、ホンダはWTCC(世界ツーリングカー選手権)でWRC車両の型落ちエンジン積んだシトロエンに全く勝てず。WRCも難しい。何かがホンダには足りないんだと思う。

ハッキリ解るのは会社としての姿勢だ。契約のためホンダを訪れたマクラーレンの総帥ロン・デニスは、帰りにタクシー呼ばれてタクシー券を渡してサヨナラ。トヨタといえばWRCチーム監督のトミ・マキネンが来日するや社長自ら挨拶に出てくるし、トヨタ社員もそういった場所を作る。

そもそもモータースポーツの参戦は自動車産業にとっての華であり、素晴らしいこと。トヨタWRCを見ていると、様々な情報をメディアに提供して盛り上げようという意思を感じる。というかトヨタのスタイルが世界の標準だ。ホンダは成績の改善が見える昨年秋になっても、いまだダンマリを決め込んだまま。

ファンを楽しませようと思わないならお金のムダ使いだ。もちろんモータースポーツは楽しいだけじゃない。けれど負けてもユーザーを楽しませる手段を持っていなければ長続きしないし、ファンだって付いてこないだろう。以前のホンダは今のように暗くなかった。いつからこんな誰も責任を取らない会社になってしまったのだろう?

同じことが本業の自動車にも言える。製品でも次々と夢を見せようとしてくるトヨタに対し、ホンダは幹部すら「あまり台数は期待できない」と公言するアメリカ向きに作った巨大なシビックを発売するという。ホンダF1と同じく最初から負けると解っている勝負に出る気持ちが全く理解できない。

今年もトヨタのホンダの差は広がる一方だと思う。