トヨタがトランプ次期大統領に反論した?

トランプ次期大統領の「トヨタバッシング」を受け、自動車関連株は軒並み下落した。「日本の自動車産業も先行き厳しい」と皆さん考えたのだろう。この認識、トヨタがトランプ次期大統領にケンカを売ったと誤解されていることからきているようだ。

すなわち章男社長が「トヨタはアメリカの雇用に貢献しています。メキシコ工場の建設計画に変更ありませんと切り返した」みたいに認識されているのである。

この対応、アメリカ嫌いは「良く言った!」と賞賛し、トヨタ嫌いは「アメリカを解っていない。トランプ次期大統領を怒らせた。大失策!」と言う。

トランプ大統領がトヨタに投げたボールを、トヨタは「対応を変えない」という返事と共に、トランプ大統領に送り返したということになってます。

これ、大きな間違いである。時系列が微妙になるので御注意を。まず章男社長の「対応を変えない」という発言は、1月3日に報じられたGMのメキシコ工場批判を受けてのもの。コメントした日時は5日の夕方だ。

メディアが章男社長から直接話を聞ける機会は、5日夕方の「新年賀詞交換会」の時しかありえない。トヨタの対応としては大きな問題ないと思う。

トランプ次期大統領がトヨタに対しツイッターで文句を書いたのは6日である。このツイートに対するコメントは現時点で出していない。章男社長はトヨタに投げられたボールを返していないのだ。

トランプ次期大統領に反論することの難しさはトヨタ側だって100も承知している。おそらく直後にアメリカの首脳陣やコンサルタントなどに対し指示出し、対応策を練らせていると思う。

そもそも今まで自動車メーカーはアメリカ政府だけでなく我が国の政府からも無理難題を押しつけられ、それに対応してきた。例えば1980年代の貿易問題の時など、アメリカから輸出規制を突きつけられ、日本政府も自動車メーカーに輸出の「自主的な規制」を強要したほど。

自動車メーカーが生産規模縮小のためどんな苦労をするかなど、これっぽっちも考えてくれない。日本の自動車メーカーは、自分で自分を守るしかない。そんなことから日本の自動車メーカーは全て「トラブルは顧客の利益のためにならない」ということを認識しており、無用な争いや論争を避けるという選択をする。

トランプ次期大統領との付き合いは始まったばかり。アメリカのトヨタには優秀な人材がたくさん揃っている。メディアも、もう少し長いスパンで考えた方が良いと思う。