直近の3年間で原発50基分の太陽光発電が稼働開始している。なのになぜ電気自動車は売れないのか?

電気自動車の日産リーフが実質的な大幅値引きを始めた。数日前にリーフを購入した知人は「補助金を合計した条件が実質的に100万円を超えたので注文してしまいました」。実用航続距離で200kmを超え、自動ブレーキやナビまで付くフル装備の電気自動車が300万円である。100km走って150円しかかからないエネルギーコストを考えれば200万円級のガソリン車より安い。

なぜ大幅値引きしないと売れないのだろうか? 日産や三菱自動車があまり積極的でないため、静かで上質で力強い走行性能などに代表される魅力をアピールできていないからである。未だ多少不便な電気自動車を買おうという人は、クルマに対し興味のある人と言うことになる。そういった人からすればリーフはカッコ悪く、そして「環境にやさしい」というだけのアピールだけしかしていない。

100円の電気料金で50km走れるアウトランダーPHEV
100円の電気料金で50km走れるアウトランダーPHEV

50kmくらいまでの距離なら二酸化炭素や排気ガスを全く出さず、わずか100円分の電気料金で走れる三菱自動車のアウトランダーPHEVも、ブランドイメージの悪さに加え、魅力を全く伝えようとしないため売れていない。エネルギーコストを考えれば300万円級のガソリンエンジンを搭載する同じサイズのSUVと同じくらいの「車両価格+エネルギーコスト」で済むことは全く知られていないと思う。

一方、太陽光発電が急激に増えている。実際、羽田空港や成田空港の離発着時、窓から眺めていると太陽光発電パネルの多さに驚く! 何と2015年の1年だけで原発12機分に相当する1200万kW分の太陽光発電能力が増えていた。調べてみたら2014年も同じくらい増えており、今年を含め直近の3年だけで休止してる原発50機に匹敵する発電能力を確保できたということを意味する。

だからこそ今年の夏は電力供給は終始余裕だった。発電能力は夏場のピーク時のためにムダを承知で確保しなければならない。ムダな分が減るだけで大幅に楽になるハズだ。おそらく今後天気の良い日の昼間の電力についていえば全く問題なくなると思う。それでも電力料金は福島だけで100兆円規模と言われている原発の廃炉費用捻出のため値上げされていくと考える。

もう少し太陽光発電装置の価格下がり、自分の家で作る電力のコストが減価償却を含め1kW=25円くらいになり&使わなかった分は1kW=20円くらいで売れるようになったら、太陽光発電はさらに普及し多くの戸建て住宅の電力+自動車用の電力をまかなえるようになる。つまり今後10年スパンでのクルマを考えると、急速に電気自動車が増えていくと思ってよかろう。

トヨタは大きく電気自動車の開発に舵を切った。三菱自動車の会長になったゴーン氏も「電気自動車やプラグインハイブリッドの開発を一括していく」という発表を行っている。間違いなく電気自動車は次世代の主役となるだろう。環境問題という観点からも、家計の出費を抑えるという観点からも、もう少し電気自動車や電気+ガソリンで走れるプラグインハイブリッド車を見直すべきだと思う。