中国車の品質レベルが急上昇!

「長城汽車に日本人の技術者が100人くらいいますよ」。中国で話を聞くと驚くことは多い。日本には報道の自由があると思っていたけれど、現実的になかなか難しいようだ。TVなど昨今日本をホメる記事や番組ばかり人気あり、厳しい評価は視聴率低いという。つまり自由に報道していいけれど、受け取る側が厳しい内容を望まないのだった。あまり好ましくない傾向だと思う。

最近TVを見ていても「凄いぞ日本!」ばかり。おそらく批判を受け入れる精神的な余裕が無いんだろう。さて長城汽車である。一昔前はトヨタ車にソックリな車種を売る模倣上等の民族系メーカーとして知られていたものの、今や『ハーバル』というブランドが大人気! 輸出も開始しており、売れ行きを急激に伸ばしている。このメーカーに日本人がたくさん働いているという。

デザインのチーフディレクターは志水俊晴さんという日本人。エンジンや足回り、インテリア、実験など大半の部門に日本人の経験豊富な技術者がいるというから驚く。もちろん長城汽車だけに限らない。大半の民族系自動車メーカーが日本人の技術者を配しているという。長城汽車躍進の理由は中国の自己研鑽だけでなく、日本の技術やノウハウも大量に流出しているのだった。

ちなみに日本人向けの求人広告を見ると、長城汽車の場合、経験者は年俸1000~5000万円! 5000万円もらっている日本のメーカーに働く技術者などそう居ない。このオファー、魅力的だと思う。聞けば「愛知県の自動車メーカーからたくさんヘッドハンティングしていると聞きます」。日本人の技術者が100人居たら、10年前の日本車と同じレベルのクルマは作れる。

現在、少なからぬ団塊の世代の経験豊富な技術者が定年を迎えてフリーになっている。60歳くらいなら元気いっぱいだ。好きな仕事でよい給料をもらえるなら、こんな幸せなことはない。「今後も素晴らしい技術を持った技術者は流出していく」と予想するヘッドハンティング業者も多いという。日本の成長に大きく貢献した世代が、中国車を育てている。

ほとんど報道されないものの、長城汽車だけでなく日本とアメリカの技術を使って開発した長安汽車の小型車もウルグアイなど南米大陸に輸出され始めており、順調な販売状況だという。真綿で首を絞められるがごとく、気づいた時には(報道されませんから)市場を中国車に奪われてしまっているかもしれない。そろそろ総合的な対策を考える時期だと考える。