三菱自動車燃費不正の報告書は納得できない点が多い

三菱自動車の燃費不正についての特別報告書が公開された。熟読してみたけれど、なぜか肝心な点について触れていない。一番大きな疑惑である軽自動車4車種の燃費不正の内容を明確にしていないのだ。

報告書を読むと「空気抵抗の計測のため空気抵抗の少ないタイ国に持って行った」と何度も出てくる。つまり「タイ国で計測した空気抵抗を使ったため燃費はよくなった」と書かれているのだけれど、全く理解できない。

今回不正した車種は、実力より15%以上よい燃費をカタログに載せた。つまり空気抵抗の不正だけで15%燃費がよくなった、と報告書は断定している。空気抵抗だけで15%もよい燃費になるのだろうか?

確かに公的な機関の資料を見ると、JC08モード燃費に於ける空気抵抗の割合は15%程度とされている。空気抵抗をゼロにすれば、15%よい数字になるということだ。けれど国交省指定のテスト施設でJC08モードを計測する際、空気抵抗をゼロにして申請したら誰だっておかしいと思うだろう。

もし空気抵抗ゼロで試験を行ったというなら15%程度燃費がよくなることもありうる。この場合、国交省側も含めた大きな不正疑惑ということになる。

また、報告書を見ると「タイ国で計測した空気抵抗が日本では計れないほど低い」と出てくる。確かに気温高ければ空気密度も低くなっていく。ちなみに気温0度と気温30度で比べれば90%程度の空気密度になる。

日本の冬だと一番大きな空気抵抗値になってしまう。日本が気温0度の時に気温30度のタイ国で計測すれば、日本より10%くらい低い空気抵抗になるかもしれない。それでも空気抵抗がゼロになるワケではなく、10%少なくなるだけ。

前述の通りJC08燃費に於ける空気抵抗の割合は15%程度。タイ国での数字を使っても1,5%くらいしかよくならない。一般メディアの記者さん達は今回の報告書を見て納得するかもしれないが、専門家からすれば他に何かを隠していると考える。

こういった報告書が出てくるようでは、やはり徹底的な原因解明など難しいと思う。ただ今後の三菱自動車の舵取りは日産と二人三脚で行われる。日産がしっかりやってくれることを期待したい。