最先端の自動運転技術を搭載したボルボS90に試乗してみた

スペインの高速道路の制限速度120km/hまで半自動運転

自動運転の技術はどこまで進んでいるだろうか? 「130km/hまでなら半自動運転が可能」とアナウンスされた現時点で世界最先端の制御を採用している新型ボルボS90というモデルに試乗してきたので紹介したいと思う(テスラはすでに自動運転を取り入れているものの、文末に書いた通り普通の自動車メーカーと若干分けて考えたい)。

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今回試乗したボルボS90のシステムは、電波で距離や障害物を検知する『レーダー』と、人間と同じく画像で前方を判断する『単眼カメラ』を組み合わせている。レーダーだけだと前方の物体を判断出来ず、センターラインも読めない。自動運転をしようとすれば「レーダー+カメラ」のシステムか、カメラを二つ使うしかない。

ボルボによれば「あくまで半自動運転であり、完全に手を離して運転することは今の段階だと難しいです」という。「2020年までにボルボに搭乗中の死亡や重傷事故をゼロにする」というプロジェクトをすすめている世界で最も安全に積極的なメーカーとあって慎重。聞けば、やはり100%の信頼性は確保出来ないそうな。

ハンドルから手を離すと15秒で警告を出し、操作されないと5秒後にキャンセルするという既存からある「指針」をそのまま残したという。つまり「ハンドルは常に保持していて欲しい」ということである。それなら自動運転と言えないのでは? どんな制御を行っているのか早速試してみた。

高速道路でボタンを押すと、短いタイムラグの後、最上部の写真のようにスピードメーターの下と、フロントガラスに緑色のハンドルのマークが表示される。これで機能開始。まずハンドルの操作力は極めて重くなる。スイッチを入れていないときの5倍くらいだろうか。もちろん意識してハンドル操作すれば動かすことも可能。

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同時に高速道路の車線を追従していることが解る。すでにスバルのアイサイト3や新世代のベンツなども軽い車線キープ機能を持っているけれど、それよりずっと強く稼働しており、しかも車線のほとんど真ん中を維持する。ドライバーはハンドル操作を全く行わないで良いほど。

センターラインが明確に見える日本の高速道路程度の整備状況なら、なるほどハンドルを持っているだけで良い。下手なドライバーよりずっと上手に走ってくれるほど。もちろんクルーズコントロールも行っており、セットした速度をキープしてくれるし、先行車がいれば車間距離を適度に保ったまま追従していく。アクセルもブレーキもハンドル操作も不要。これならハンドルから手を離したままでも問題ないと思ったほど。

しかし試乗コースは、やがて状況変わってくる。センターラインが薄くなっていたり、少し曲率の厳しいカーブ、そして上り坂から下り坂に切り替わる場面(センターラインが目視できなくなる)など出てくると、やはり車線を認識出来なくなってくるのだった。するとハンドル操作機能はオフになってしまう。

様々な状況を理解してもらうため、あえて難しい試乗コースを設定してあるのだ。確かにセンターラインが薄くなることはあるし、キツいカーブを手放しのまま走行中、突如ハンドル制御切れたら危険。「ハンドルは保持しておき、いつでも操作を代われるようにしておかなければならない」という趣旨がよく理解出来た。

とはいえ単調な高速道路なら抜群の安楽さを提供してくれる。整備の行き届いた日本の高速道路では車線を見失うこともないだろう。渋滞のノロノロ走行になると、さらに精密な制御を行ってくれるため、事実上、ハンドルもアクセルもブレーキも操作しないでOK。これなら休日のドライブ時に遭遇する渋滞も苦にならないと思う。

文頭に書いたテスラだけれど、既存の自動車メーカーと信頼性に対する価値観が若干違うため、私は異なるジャンルの商品だと認識している。自動車とPC(コンピューター)の差と言えば理解していただけるだろうか? だからこそ既存の自動車メーカーと違う魅力を持ち、お金持ち層から支持されているのだろう。

半自動運転機能が付く新型ボルボS90は秋に日本でも販売される。