自動運転では避けられない事故が東京・町田で発生

我が国も2020年の一部実用化を目指している自動運転ながら、アメリカの『NHTSA』(日本の国交省に相当)はグーグルの自動運転車について「運転者を人工知能とするのが妥当」という見解を出した。つまり人間の代わりを人工頭脳が行なってよい、という意見だ。もちろん正式な法規でなく「そういう方向で認めていくつもり」ということ。これに対しアメリカでは多数の反対意見も出始めている。

果たして人工知能はドライバーとして認めていいのか? そんな世界的論議になっている中、東京の町田で痛ましい事故が発生した。詳しい状況は下のリンクを見て頂きたい。交差点を左折したトラックと、横断歩道を渡ろうとした小学校1年生の男児が接触。頭を強く打って亡くなってしまったのだ。多くのメディアはトラックドライバーの責任を重く取り、警察もひき逃げなどの疑いで逮捕している。

事故を報じるNHKニュース

ただ動画を見ると、男児はトラックドライバーの死角から接近しており、見えていないと思われる。一方、男児は横断歩道の青信号を信じたのだろう。この事故形態、何十年も繰り返されてきた。基本的にドライバーの責任と判断される傾向。もう一つ動画を御覧頂きたい(最後の10秒でOK。悲惨な状況ではないので安心してどうぞ)。元気の良い子供はこういったケースが当たり前のようにあることだろう。

横から飛び出し(幸い大きなケガ無し)

ここからが本題である。果たして人工知能ならどうか? ぶつかってくる歩行者を避けられるかと言えば、なかなか難しいと思う。町田の事故のようなケースであっても、避けられる可能性は高くない。速度を徐行レベルまで落とたところで、ぶつかってきたらひいてしまう。二つ目の動画レベルだと、人工頭脳であれば全くのお手上げだ。「走る」という行為から考え直さなければならない状況だと考える。

もし人工知能を運転者として認めた場合、責任は誰も負わない。むしろ「ぶつかってきたのだから仕方ない。ぶつかった方の責任」ということになってしまう。仮に人工知能を運転者として認めるなら、最低でも「人工頭脳でも事故を起こさないような道路」を作るか、幼児や認知症の方に対してまでの交通安全教育が必須。「自動運転=素晴らしい技術」と思い込んでいる人も多いが、じっくり考えることも必要だ。