フォードの日本撤退はまったく売る気がなかったため。GMも時間の問題か?

販売不振のためフォードが日本市場から年内に撤退することになった。当然だと思う。フォードの日本法人は、日本でクルマを売る気があるように見えなかったからだ。同じく全く売る気を感じないGMの撤退もあり得る。納得出来ないのは、通商&貿易のトラブルが発生する度に「日本の非関税障壁のためアメリカ車が売れない」と文句を付けられること。以下、状況を説明しよう。

現在、日本の輸入車市場は決して悪くない。むしろ微増という状況にある。VWはディーゼル問題で販売台数減となったものの、ベンツもミニを含むBMWも好調。そんな中、フォードやGMは全く売れていない。なぜか? 販売努力を全くしていないからだ。

何回かフォード・ジャパンに「どうして売ろうとしないのか?」と聞いたけれど、返ってくる答えはいつも「販売台数が少ないため宣伝予算を確保できず何も出来ません」。本当に何も出来ないのか? 

例えば広報部門は、メディアに貸し出す広報車を少なからず持っている。広報車の稼働率と言えば低く、しかも本当の意味での広報活動には使われていない状況。つまり仲の良いお友達メディアが借りるのみ。宣伝部門は予算ないと言って動かず、少ない予算で動ける広報も開店休業状態。同じく決して予算多いと思えない(仏)ルノーなど存在感を出すべく頑張っている。

海外での試乗会にだって日本からメディアを連れて行けるだけの予算も確保できているのだけれど、これまた費用対効果というより「広報の言うことだけ聞いてくれるメディア」が対象。広報が努力しないと記事にならない『ベストカー』や『カートップ』など発行部数の多いメディアとは全く付き合おうとしない。

加えて日本で販売しているフォードのラインアップも酷いモノだ。クルマ好きからすれば全く魅力の無いエンジンを搭載したタイ工場生産のモデルを、安全装備万全のボルボと同じような価格で販売したって売れるワケがない。

ベンツやBMWに代表される「ブランド力」を持っているメーカーは、強気のPR活動で十分販売台数を確保できる。けれどフォードやGMなど欧米でも普通の人が買うようなカテゴリーのクルマは日本車と同じ目線が必要。マクドナルドのハンバーガーを高飛車かつ1000円で売ろうとしているのと同じ。

フォードがもし日本市場に戻ってくるなら、有能でヤル気がありクルマ好きなスタッフを揃えればいい。そして魅力的なフォード車を日本に適正な価格で持ってくれば必ず売れる。決して非関税障壁のため売れないのでは無いことを認識してもらいたいと強く思う。