ガソリンを安く売ったということでコストコに警告を出す?

朝日新聞デジタルによれば公取委がガソリンを原価割れで販売したということでコストコに警告を出すそうな。「全国の最安値が112円だった時に85円で販売した」というもの。この件、二つの点でおかしいと考える。一つは「原価割れ」という概念だ。不良在庫の商品を原価割れで売ることなど珍しくもなんともない。特にガソリンの場合、在庫が持てないからである。

御存知の通りコストコに限らず現在ガソリンが安い。12月13日現在、全国最安値で106円。ちなみにガソリンには58,1円のガソリン諸税(53,8円の税金に消費税が上乗せされている。税金に税金を掛けている)が掛かっているため、106円で売っているガソリンの本体は48円ということになる。これには消費税とスタンドの利益とスタンドまでの運送料が含まれる。

大雑把に言ってガソリン本体の価格は30円を下回っていることだろう。一方、ガソリンの先物価格を見ると1リッターあたり41円程度。つまり106円で販売していても原価割れしているのだ。なぜ原価割れしてでも売るのかと言えば、ガソリンの在庫を抱え困っているからに他ならない。ここにきて景気の減速や自動車の燃費向上によりガソリンの消費量が減ってきた。

一方、原油の輸入量は簡単に減らせない。毎日2~3隻の超大型タンカーがやってくる。我が国は約200日分の原油備蓄能力を持っているけれど、今や満杯状態。輸入した分を消費していかないと、石油を貯めておく場所に困ってしまうのだった。そこで原価割れてしても販売したい、という状態になっている。普通の企業が1日でも早く不良在庫を無くしたいのと同じ。

もう一つの「おかしい」はコストコが会員制であること。ゴストコの年間会員料金は4320円と驚くほど高い。コストコで販売しているガソリンを通りすがりの人が普通の人に買おうとしたら、4320円支払わなければダメなのだ。100リッター買っても、1リッターあたり43円の上乗せとなり全くペイしない。会員向けに不良在庫を原価割れで販売することなど珍しくないこと。