日本の自動運転は役所の権益争いで難航

海外発の自動運転試験ニュースは頻繁に入ってくるものの、我が国の情報を探すとほとんど無い。現在国内で本格的な自動運転の実証試験を行っている久米島の状況を見ると、あまり順調と言えないようだ。ちなみに実証試験の場所になっているのは、沖縄の離島である久米島の隣にある『奥武島』(橋が架かっている)。

ここで日本版GPSと言うべき準天頂衛星(日本の上空にある静止衛星を使ったGPSより精密なナビシステム)を使い、数百mという極めて小規模な完全自動運転の開発を2014年4月から開始した。順調でないだろうと書いたのは、その後の情報が全く出てこないためである。地元の人でも撮影禁止なのだという。

宇宙開発研究機構(JAXA)にNEC、デンソーといった日本の頭脳が集まりながら、歩行者や混交交通の無いわずか数百mの区間を低い速度で自動運転させることさえ難しいということである。順調に開発できていれば取材も受けてくれるだろうけれど、そうもいかない様子。やはり外部から情報を得るシステムは信頼性低い。

一方、グーグルなどが行っている自動運転は自己完結型。車載の地図データと、センサーを使うタイプだ。なぜ日本だけ信頼性を確保するのが難しいGPSやビーコン、電波など外部から情報を受けるタイプにこだわるのか。理由は簡単。役所の権益とセットになるインフラ投資を伴うからに他ならない。

先行する欧米勢に対し大きく出遅れた自動運転システムだけれど、そもそも日産が世界に先駆け1999年に市販している。一方、役所は路面にセンサーを埋め込んだ自動運転システムや、電波やビーコンなどで自動ブレーキを掛けるシステムを推奨していた。クルマが自己完結でハンドル操作したり、自動でブレーキを掛けるのは好ましくなかったのだ。

結果、開発禁止措置に等しい規制を行い、日本の自動運転技術は10年以上出遅れることになった。その間、欧米勢の電子技術が大きく進化。今や自己完結型の自動運転はベンツやボルボに大きく先行されている。最新のベンツやボルボは、渋滞のノロノロ走行に限りハンドルもアクセルもブレーキも操作しないで走れてしまう。

多くの人が日本の自動運転技術の遅れを自動車メーカーの技術力の差だと思っているようだけれど、明らかな間違えである。そろそろ自己完結型の自動運転を認めないと、一段と大きな差を付けられてしまう。参考までに書いておくと、おままごとのような久米島の実証試験は2018年まで続けられるそうな。

その頃には欧米のトップランナー達は普通に街中で自動運転車を走らせていることだろう。