渋滞時の自動運転実用化へ

遠い将来の技術だと思われている自動運転ながら、限定的にはすでに実用化され始めている。3月2日にバロセロナで行われたモバイルワールドコングレスで、日産のゴーン社長が「2016年には渋滞時の自動運転が可能になる」というスピーチをしたほど。

実際、どんなクルマ好きでも渋滞の運転は好まない。加えて長い渋滞に遭遇すればイライラする。うっかりミスで追突することだってあるだろう。朝晩の通勤や、週末の行楽渋滞時だけでよいから自動運転が出来れば嬉しい。

興味深いことに日本の国交省は自動運転を高速巡航から実用化しようと考えているのに対し、欧州の動きを見ると渋滞から認可し始めた。考えてみれば速度の高い高速巡航より、速度の低い渋滞の方が技術レベルも低く安全を確保しやすい。

というコンセプトで開発されたのが今回試乗した新型ボルボXC90の低速自動運転だ。車速20km/h以下なら、アクセルやブレーキだけでなく、ハンドルもクルマがコントロールしてくれる。そして50km/hまでであれば、ハンドルに軽く手を添えているだけでこの機能が稼働するのだった。

もう少し具体的に書くと、左右が白線(普通のセンターラインでよい)の車線であり、かつ先行車の後ろを走っている状況で稼働する。バルセロナ近郊で間もなく市販されるXC90に試乗し、低速自動運転を体験してみた。

画像

写真は低速時自動運転機能稼働中。日本だとクレームが入りそうな手放し運転ながら、欧州ではこの装置が付いている車両に限り20km/h以下なら問題なし。ボルボによれば「車速45km/h以下なら夜間であっても自動車に限らず歩行者や自転車を検知したら自動ブレーキで緊急停止します」。

参考までに書いておくと、ボルボは2020年以降に販売される新型車両に起因する事故で死亡またらは重篤な怪我をする人を無くす」という強い目標を立てている。現在のボルボのセンサー性能を考えれば、20km/hまでなら確実に自動停止出来るということ。

画像

ちなみに50km/hまでは、ハンドルに触らない状態がおよそ10秒続くと警告灯による注意勧喚起のあと15秒で機能停止するようになっている。現在20km/hの速度を、少しづつ高くしていくことにより、低い速度域ではほぼ自動運転が可能になっていくことだろう。