封鎖された武漢のリアル映像に涙 無人の繁華街、スーパーの行列、食品の価格など現地の若者が配信

武漢有数のショッピング街・楚河漢街も閑散。リンチェン氏がとらえたリアル映像より

動画リンクあり

新型コロナウイルスによる肺炎の感染者は、世界で2800人を超えたと伝えられ、パンデミックの様相を呈している。発生源である中国・武漢では旧正月前の23日から市内の交通が遮断され、実質的な「封鎖」状態になっている。中国では27日から海外への団体ツアーを一時禁止。日本では、28日に「指定感染症」にすることを閣議決定するとともに、武漢在留邦人のうち希望者の帰国支援なども動き出している。

現地の生活者の状況が懸念される中、封鎖の24時間後の武漢の様子をレポートしたリンチェン(林晨)さんの10分強のドキュメンタリー映像が静かに広がっている。「封城后的24小時,“空城”武漢的物价、交通 、生活真実状况記録」(日本語訳すると「都市が閉鎖されてから24時間後、『空っぽになった都市』武漢の価格、交通量、実際の生活を記録」)のタイトルで、スーパーマーケットや人通りのない繁華街、幹線道路などを車載カメラやドローンなども駆使して撮影。混乱が伝えられる中、秩序を守って生活している「リアルな武漢の人々の姿」や美しい街並みを記録したものだ。

リンチェンさんは、自らのYouTubeチャンネルに動画を載せるとともに、「リアルな状況を知ってほしい」とメディアなどへの転載を許可。このビデオによる収益は寄付するという。さらに、「誰もが都市を良くしたいと思っている。とくに医師をはじめ、都市を正常運転させる任務を担っている人々に感謝している」「みんなが良くなったら、春にまた会いましょう。新年あけましておめでとう!」といった内容のコメントをしている。

2019年の訪日外国人のうち、中国人旅行者はトップの959万人(前年にくらべて121万人増加)で約3割を占める。日本国内での消費金額も高く、1人当たり約21万2981円、総額1兆7000億円強で全体の35%を占めるなど、大きな存在感を占めている。25日の旧正月を挟んで来日した人、来日を計画していた人々も多いが、キャンセルも相次いでいる。現地のイオンやユニクロ、無印良品など日系企業も一時休業などの措置を取っている。

ともすると経済的ダメージに目が向きがちだが、いまそこで生活する人々に思いを馳せつつ、沈静化に向けて冷静に判断して対応すること(あるいは、拡大を防ぐために不要不急であれば動かないことなど)が必要だ。リンチェンさんの撮影からも数日が経ち、罹患者や死者が増えるなど深刻度を増しているが、一刻も早く日常生活が戻ることを願いたい。

(追記:随時更新予定)イオンは27日、総合スーパー(GMS)の「イオン」の5店舗は、「地域のお客さまの生活必需品である食品や衛生関連用品を取り扱っており、行政から安定供給の継続に関する要請も受けていることから、従業員の健康と安全に配慮し、営業時間を短縮した上で、営業を継続している」と発表。イオンモールは市内3モールの営業休止を決定している。

「WWDジャパン」によると、27日現在、武漢の「ユニクロ」17店、「無印良品」10店が営業を見合わせているという。

AbemaTV/『けやきヒルズ』では、ナレーションの日本語訳を含めた映像の詳報や、その後の広がりなども報じられた。【世界中すべてのメディアに使用許可…封鎖された武漢の“リアル”を映したドキュメンタリーに注目

報道によると、WHO(世界保健機構)は27日、中国の新型コロナウイルスが世界に及ぼすリスクを「中程度」から「高い」に修正し、「中国では非常に高い、周辺地域では高い、世界的にも高い」に改めたと発表している。判断の変更ではなく、日報での表記の誤りが原因としているようだが、感染が拡大し深刻さが増す中での不手際は批判を集めるとともに、その混乱ぶりを物語っているようだ。緊急事態宣言もこの段階では行われていない。