あのパリ「コレット」のファイナルセールをH&M「アファウンド」で開催、お膝元で「ユニクロ」を迎え撃つ

「コレット」のファイナルセール開催を告知、「Afound」公式インスタグラムより

 H&Mへネス&マウリッツ社の新業態「Afound」(アファウンド)が8月23日、昨年12月20日に閉店したパリの「コレット」で扱っていた商品のファイナルセールを開催する。1997年に創業した「コレット」は小粒ながらも、パリはもちろん、世界のファッション&カルチャーシーンをけん引してきた存在であり、話題になることは間違いない。

 「アファウンド」とは、「H&M」や「COS」(コス)、「& Other Stories」(アンドアザーストーリーズ)、「MONKI」(モンキ)、「WEEKDAY」(ウィークデイ)、「CHEAP MONDAY」(チープマンデイ)、「Arket」などのH&Mの自社ブランドのみならず、他社からの仕入れ商品まで含めて、ウィメンズ、メンズ、キッズのファッションアイテムから生活雑貨まで幅広くライフスタイル関連アイテムを扱う新業態だ。

 今、注目を集めている、オフプライス市場の開拓と、ファッション業界でも大きな課題となっている、余剰在庫の新たな販路の開拓を狙ったもの。

 今年6月、本拠地スウェーデンのストックホルムに1号店をオープンしたのに続き、同国第3位の都市・マルメにも出店。同時にECサイトもオープンしている。

 

余剰在庫の販路獲得とオフプライス市場開拓を狙った新業態「アファウンド」、サステイナビリティと新購買傾向にチャンスあり

 オフプライス市場については、米国では百貨店のノードストロームが「Nordstrom Rack」(ノードストローム・ラック)、メイシーズが「Macy's Backstage」(メイシーズ・バックステージ)などの店舗網を拡充しており、日本でもアウトレットモールが好調だ。初めから低価格で売ることを前提にした商品ではなく、色やサイズが欠けていたり、シーズン遅れだったりするものの、もともと高価格品だったものをお値打ち価格で買えるというお得感と、宝探しのようなワクワク感が人気の秘けつになっている。

 ファッションに余分なお金を投じたくない層や、賢く買い物をしたい層などに特に受けており、エンターテインメント性もあることから、レジャーの一環として集客力を発揮していたり、インバウンドをはじめとしたトラベル需要も発生している。

 実はファッション業界では、ブランドを棄損しないために余剰在庫を焼却処分することも多い。けれども昨今、生活者のサステイナビリティや環境保全などへの意識の高まりがあり、「バーバリー」の約42億円相当分の焼却処分に非難の声が上がるなど、余剰在庫の活用方法は喫緊の課題となっていた。

 H&Mでは自社のサステイナビリティ担当部門がけん引して、「H&M」業態で2030年までに100%の素材をリサイクルまたはサステイナブルなものに切り替える施策も打ち出している。創業家が立ち上げた非営利団体「H&Mファウンデーション」(基金)の研究開発などと連携しながら、バリューチェーンを通じて、サーキュラーエコノミー(循環型経済)やクローズド・ループ(ループを閉じる)の実現を目指しているところだ。

 「アファウンド」で新たな販路を開拓し、店舗とオンラインストアを通じて余剰商品に命を吹き込み、新しい価値の提供と、課題解決を同時に行おうという試みだ。

「コレット」の在庫に命を吹き込み宝石として販売、翌日には「ユニクロ」スウェーデン1号店がオープン

 肝心の「コレット」のファイナルセールについては、「アファウンド」の公式インスタグラムを通じて発表されたもの。「私たちは素晴らしいファッションに新しい命を与えていきます。コレットが昨年クローズした際にパリに行き、宝石を集めてきました。8月23日にオンラインストアでコレットのファイナルセールに参加してください」とコメント。「コレット」のクリエイティブ・ディレクターだったサラ・アンデルマンも“いいね!”をしている。

 発売翌日の8月24日には、日本発のグローバルブランド「ユニクロ」がH&Mの本拠地・ストックホルムにスウェーデン1号店をオープンすることが決まっている。H&M流のお出迎えとも見ることができる。「ユニクロ」が北欧でどれだけ受け入れられるのかも含めて、要注目だ。