出かけたい気持ちをどう抑える?懸賞生活なすびが語る「家ごもりの奥義」

「自粛」で再び脚光を浴びるなすびさん(Facebookから)

■「家に閉じこもってみませんか?」のツイートに10万いいね

90年代後半に日テレの番組「進ぬ!電波少年」で1年3ヶ月にわたる「懸賞生活」で一躍有名になったタレントで俳優のなすびさんが、ここに来て再び話題になっている。

新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が4月7日に発令されて2週間。これまで誰も経験したことのない、長期にわたる自粛生活に戸惑いと疲れが出ている中、なすびさんの投稿したツイートがバズっているのだ。

「幾ら何でも一年三ヶ月とは言いません、願わくは一ヶ月、でも流石に一般的に一ヶ月も無理としても、一週間や十日位、試しに家に閉じ籠ってみませんか?私が出来たんだから、貴方にだって出来ます!!」

このツイートには10万を超える「いいね」がつき、「なすびのツイッター、説得力が凄い」「今一番説得力がある人かも」「1年3カ月って!自粛生活のレジェンド(笑)」「なすびに自粛生活学ぼう」などたくさんのリプライがついた。

なすびさんは、東日本大震災の風評被害で苦しむ故郷福島を元気づけようと2016年にエベレスト登頂に成功し大きな話題となった。今回は4年ぶりに再度「時の人」に。筆者はなすびさんと同郷ということもあり、6年にわたる親交がある。電話で取材を行った。

■コロナの影響で仕事ゼロ、再び引きこもり生活に

ー なすびさん久しぶりです。Twitterで話題になりましたね。

はい、20年前の経験がこんな形でまた脚光を浴びるとは思いませんでした。フォロワーも一気に1万人も増えてびっくりしました。

ー エベレスト登頂以来大忙しのなすびさんですが、いまお仕事のほうはいかがですか。'

コロナ前までは、毎週末アウトドア関連などのイベントに呼んでいただいたり、講演をご依頼いただいたり、おかげさまで忙しくしていましたが、2月末ぐらいからイベントがほとんどなくなり、4月に入ってからは仕事はゼロになりました。

ー ゼロ。。。それは大変ですね。

大変ですけれど、僕より大変な人がたくさんいます。幸い、当面死なない程度にはお金はあるのでなんとかやってます。

ー ずっと家に引きこもっているのですか。

はい、1ヶ月前からですね。買い出しで数回出かけましたが、特にこの2週間は外出どころかほとんど外にも出てないです。それでも心身ともに健康です。

ー 家で毎日何をしてるんですか?

何もしないです。寝て、起きて、テレビ見て、ラジオ聞いて・・・それぐらいです。

ー えっ、何もしないで退屈しないんですか?

懸賞生活の時のことを考えたら、はがきを書かないだけ楽です。20年以上前ですが、いまだに「何もしなくていいんだ」という開放感があります。ドッグフード食べて生きながらえてきて、言ってみれば「命がけで家にこもって」いましたから。それから比べれば今なんか全然です。ちゃんと食べられることが幸せです。

ー そういえばエベレスト登山の時もキャンプに閉じ込められたと言ってましたよね。

エベレストの登山に4回挑戦しましたが、天候が悪くて1週間から10日位ベースキャンプに閉じ込められるなんてよくありました。そのときも何もしないでずっとテントの中にいました。

■東日本大震災の教訓を活かしたい

ー 今回の「人間、1カ月や2カ月家にこもってたって死にやしません!」という呼びかけは説得力ありました。

みんな動きすぎだと思うのですよ。先週の土日も公園なんかはすごい人出だったと聞きました。プロのアスリートの人でも家に閉じこもって自主トレしているのに、なんで一般の人が公園で走ったりしてるのかなって。医療の現場の最前線で命がけで働いている方や、感染リスクを背負いながら働いている方がいるのに、僕らがふらふらしていたら申し訳ない。僕らも命がけで家にこもらないと。そんなメッセージを届けたくて今回ツイートしました。

ー 確かにそうですね。特に私たち福島の人間は、東日本大震災の経験がありますからね。

そうなんです、でも東日本大震災の時から9年たって、意外とみんなそのときのこと忘れてるんだなあと思います。あの時には助け合いの精神があったし、みんな我慢もしました。でも今、新型コロナにかかった人が差別に遭っていると聞くとすごく残念です。福島から避難した子供達がいじめられたことを間接的にも経験し、悔しい思いをしてきたのに。批判や非難、誹謗中傷など、分断を助長するようなことはやめて、みんな一丸となって乗り切りたいですね。僕も過去の経験を踏まえて発信していかなければと思っています。

■長引く家ごもり生活を乗り切るコツとは

ー 緊急事態も長引きそうですが、家ごもり生活を続けるコツを教えてください。

まずは、「我慢する」ことではないでしょうか。長引くとどんどん参ってしまうので、短期決戦で終わらせたほうがいい。それには我慢です。やりたいことはみんなそれぞれあると思いますが、今が戦争だと思えば、制限を受けるのは当たり前なんですから。

それと、「気持ちにゆとりを持つ」こと。僕が経験した監禁生活とは違って、全く外に出てはいけないわけではなく、散歩や買い物などいつでも出られるわけですから。

そして「オフモード」になること。僕はちょっと特殊なのかもしれませんが、オンオフがはっきりしているんです。エベレスト登山みたいに、やるときはやるんですが、やらないときはほんと、何もやらない、動かない。エネルギー節約モードになるんです。懸賞生活の時も、最初は筋肉が落ちないように多少トレーニングをしていたのですが、食べ物がいつ来るかわからない状態だったので、摂取したカロリーがもったいなくてやめました。いろいろやろうとしないで、オフモードになって、収束したらオンモードに切り替えればいいわけですから。

いずれにせよ発想の転換が必要かもしれません。でも、僕ができたんだから、みなさんも絶対にできるはずです。

ー なるほど、参考になります。では最後にみなさんにメッセージがあればお願いします。

今、僕が応援している「ふくしま!浜・中・会津の困った市」というサイトがあるんです。イベントなどがなくなり困っている福島県内の事業者の方が集まり、商品販売を応援する通販サイトです。ぜひ見て下さい。

https://iandu.shop-pro.jp/?mode=grp&gid=2362549

1,我慢する 2,ゆとりを持つ 3,オフモードになる

「引きこもりの達人」なすびさんの3つのコツ、さすがに説得力がある。特に3番目の「オフモードになる」にははっとした。私は「何かやらないと気が済まない」性格なのだが、それだと自粛生活は持たなさそうだ。頭を切り替えて「何もやらない」ことに慣れようと思った。