10年で動員数が100倍~Dreamforce2013に学ぶ「企業イベント成功3つのポイント」

Dreamforce2013 基調講演開始前の様子

法人向けクラウドサービスを扱うセールスフォース・ドットコム社のイベント「Dreamforce(ドリームフォース)2013」が先週サンフランシスコで行われ、昨年に引き続き参加してきました。

13万人集結「ドリームフォース人気」のナゼ(2013/11/19)

セールスフォースに見たクラウド企業への「信頼感」問題(2013/11/21)

セールスフォース社はイベントを非常に重要視する会社で、数ヶ月おきに世界各地でクラウドイベントを開催しています。10月末に日本で行われた同社のイベントではYOSHIKIが出演して話題になりました。中でも最大規模のDreamforceは4日間に渡って行われ、同社CEO、マーク・ベニオフ氏の2時間半にわたる基調講演、氏と親交があるビッグゲストとの対談、ロックコンサート、2会場にまたがる展示会など、華やかさと規模の大きさで知られています。

2003年では1300人だったこのイベントの動員数は、会社の拡大とともに増え続け、今年はなんと13万人。この10年で100倍に増えました。いち企業が主催するイベントとしては突出した成功例と言っていいでしょう。

では、なぜ法人向けのビジネスイベントのDreamforceにここまで人が集まるのでしょうか。

これだけの規模だと簡単に真似できるレベルではありませんが、

これならエッセンスを取り入れられるのでは?という成功ポイントをまとめてみました。

1、顧客事例を最大限に活用する

セールスフォース社ほど「顧客事例」の見せ方がうまい企業はほかにないかもしれません。

一つのケーススタディで1時間の「ショー」を構成してしまうことなど朝飯前。

前振り、ビデオ、担当者のプレゼンのあと、顧客が登場して短い会話、といった流れが多いようです。

画像

セミナー会場だけでなく、今回はさらに展示会場でも「カスタマーカンパニーショーケース」というエリアをもうけ、

自動車、小売、医療、航空会社、メディア、製造業の6つの業種の代表的な顧客のブースを作り、

説明員を配置して来訪者に具体的なセールスフォース製品の使い方を説明するというスタイルを取っていました。

具体的な事例が一番参加者から興味が持たれ、なおかつ売上げにつながる。

同社が事例をここまでショーアップして重要コンテンツにしている理由がそれなのでしょう。

2,ノベルティにお金をかける

自社のロゴが入ったノベルティ商品はイベントにはつきものです。特に登録の際に渡すバッグは単なるブランディング効果だけでなく、参加者を宣伝マンにしてしまう魔法のツールになります。

私はこれまでいろんなカンファレンスに参加していますが、たいていの場合、渡されるのはいかにも中国製のペラペラのリュックで、会期中にすら持つ気がせず、そのまま捨ててしまうこともよくありました。参加費に15万円も支払うようなカンファレンスですらそうです。

ところが、今回のDreamforceの布製のリュックは、素材もデザインもよく、オリジナルのウォーターボトルまでついていて、非常にクオリティの高いものでした。参加者はかなりの確率でリュックを使っており、会場の外でもよく見かけました。通行人から見れば「街がジャックされている」と感じたことでしょう。

画像

このリュックであれば、おそらく大勢の人が家に帰ってからも使うと思われます。かくいう私もそのつもりです。そう考えると、このリュックの宣伝効果は持続的なものになりそうです。

ノベルティというと、ボールペンやノート、Tシャツなどが一般的ですが、「お客さんを宣伝マンにするにはどうするか」という視点で考えれば、どんなアイテムを選び、どの程度予算をかけるかがはっきりしてくるでしょう。

3,レジメを見ずにプレゼンする

基調講演、セッション、デモ。イベントでは様々な形のプレゼンが行われますが、驚くのは、「誰もレジメを見ていない」ということ。いわゆる「ジョブズスタイル」「TEDスタイル」で、内容を完全に覚えて何も持たず、歩きながら観客に語りかけるようにプレゼンをします。

下を向きっぱなしでPCとにらめっこしてレジメを読み上げる「日本スタイル」とは対照的。

どちらが聞き手が眠くならないか、どちらがプロフェッショナルな印象を与えるかは、自明の理です。

画像

では、なぜみんなこんなに流ちょうにプレゼンができるのでしょうか。

プレゼンターに聞いたわけではありませんが、「練習」の二文字しか考えられません。みんな相当練習しているはずです。ジョブズが猛練習することで有名だったように。

インターネットがいかに発達しようが、ソーシャルで大勢の人と会話ができようが、

リアルに人が集まることで生み出される力、波及効果、影響力は計り知れません。

クラウド、モバイル、ソーシャルを推進する企業であるにもかかわらず、

セールスフォース社がますますイベントに予算と力をかけていくのは、その効果が実証されているからなのでしょう。

Dreamforce2013の動画レポートを作りました。