Google+との統合でやっとソーシャル化するYouTube

Google+への不満爆発の歌「My Thoughts on Google+」

11月11日、YouTubeとGoogle+のコメント欄が統合した。

と言っても、日常的にYouTubeを使っていない人にはどうでもいい話に聞こえるかもしれない。でも実はこれ、ソーシャルメディアを活用したいビジネスユーザーにとってはかなりの朗報なのだ。

YouTube、コメントの表示変更を開始--ユーザーの関心ある投稿者を優先(CNET Japan 2013/11/07)

2005年にスタートしたYouTubeは、視聴時間も動画アップロード時間も順調すぎるほど伸びており、拡大の一途をたどっている。これまでたびたびサイトの「マイナーチェンジ」を行い、ユーザーのニーズや環境の変化に対応してきた。マルチデバイス対応もほぼ完璧に行われ、デザインも洗練されてきた。しかしコメント欄だけはほとんど進歩がなく、ソーシャル時代に取り残された「一世代前」の立て付けだったのである。

YouTubeのコメント欄の何がよくなかったかというと、まず、コメントの質が悪い。国内外問わず、YouTubeのコメント欄と言えばスパムや、「氏ね(死ね、の意)」「糞動画」「○○人」などの罵詈雑言やヘイトコメントが多いことで有名だ。人気になればなるほどアンチも増える。当然ながら炎上も日常茶飯事。嫌気がさして動画投稿をやめてしまったYouTuber(動画投稿者)も少なくない。

今回の統合によって、Google+のアカウントを持っていない人はYouTubeの動画にコメントできなくなった。通りすがりの辻斬りや唾の吐きかけはもうできないのだ。

さらに、一番上の目立つ場所には、Google+で関連性が高い人、影響力が強い人のコメントが自動的に表示されるほか、自分の気に入ったコメントを配置することもできる。これまでネガティブコメントの削除・報告ぐらいしかできなかった動画投稿者は、「コメントの質を上げる」ことまでできるようになったのだ。

質だけではない。この改変によって、コメントの量も増えた。

私のチャンネル(Hitomi Kumasaka)の例でいうと、このレビュー動画のコメント数は施行前は9だったが、施行後Google+で共有したところ、一気に30に跳ね上がった。Google+でのコメントがYouTubeにダブル投稿されるようになったからである。相関関係があるかどうかのデータはまだ出ていないが、動画の再生数も施行後伸びている。

今日、Google+をあけてみると、あるYouTube動画のシェアにたくさんコメントがついているのが目に入った。これまでYouTubeまで見に行かないと見えなかったYouTubeの盛り上がりが、Google+のフィード上で発見できるようになったのだ。Google+がYouTubeのフィード代わり、サテライト的な機能を持つのである。これによって、今まで見つけてもらえなかった動画もGoogle+で発見してもらえることが可能になった。全ソーシャルメディアの中で最もハードルが高いと言われるYouTubeのチャンネル登録も、Google+のフォロワーを増やす施策でカバーすることもできるだろう。

YouTubeとGoogle+の統合は非常に煩雑でわかりにくく、特にベテランYouTuberからの文句が噴出している。ある女性YouTuberのGoogle+への怒りの歌が共感を得てバズを起こしているほどだ。

しかし、たとえ一時的にユーザーの怒りを買っても、この統合はいずれやらなければならなかった「YouTubeのソーシャル化」の第一歩であるのだろう。コメントの質と量の向上。コンテンツを見つけてもらう機会の増加。これは長期的にはチャンネル運営者のメリットにつながるはずだ。Googleさん、よくやってくれました、と言いたい。

月間10億人が訪れ、432万時間の動画がアップロードされている巨大プラットフォームYouTube。ビジネスユーザーにはとっつきにくいYouTubeだが、これで炎上のリスクが抑えられ、アクセスアップの道も開け、少しだけビジネスフレンドリーなったのは間違いない。