不人気SNSのGoogle+が王者Facebookに余裕で勝てる「切り札」とは

Manjura's kitchen

こんにちは、熊坂仁美です。

2013年第1四半期の世界ソーシャルメディアのランキング(アクティブユーザーの比率ランキング)が発表されました。

eMarketerより
eMarketerより

ご覧の通りFacebookが51%で圧勝。2位以下は団子状態で、Google+(GoogleのSNS)、YouTube、Twitterといったおなじみの顔のあと、Sina Weibo(シナウェイボー)、QZoneといった中国系SNSが続きます。

グラフを見る限り、Facebookの牙城はそう簡単に崩せないだろうと誰もが思うでしょう。統計資料を提供しているeMaeketerはFacebookは年内に60%までいくのではないかと予測しています。

しかしこれ、簡単にひっくり返る可能性があると私は見ています。

というのは、今、Googleはすべての既存サービスをGoogle+に統合するプロジェクトを行っており、Google+とYouTubeの統合も進んでいます。今はまだ両者は別のサイトですが、2位のGoogle+の中に3位のYouTubeが組み込まれ、一つのSNSになる可能性もゼロではありません。

そうなれば、Google+とGoogle傘下のYouTubeを合わせると51%となり、Facebookと同じになります。

そしてこの「連合軍」、Facebook以上のポテンシャルを持っているのです。

「人との交流の場」としてFacebookは圧倒的な人気を誇りますが、当然ニュースフィードに流れてくるのは友達の近況が多く、中には友達の近況だけではつまらない、もっと面白いものを見たいというユーザーも相当数います。

そういうユーザーにとって、YouTubeという巨大コンテンツ工場を持ったSNSは魅力的に映ることでしょう。

YouTubeは最近急成長中で、1ヶ月の視聴時間が前年比50%増の60億時間に達したと今月発表しました。

YouTube、月間視聴時間が60億時間を突破

視聴数も増えていますが、注目したいのはアップロードされる動画のほうです。 1 分あたり72時間と、コンテンツ消費だけでなくコンテンツを提供するユーザー(クリエイター)も激増しているのです。

Facebookでは、いくら面白いコンテンツを流しても、いくら人気になっても、ユーザーはそこから直接収益を得ることはできませんが、YouTubeはGoogleの広告報酬の仕組みを取り入れており、現在100万ものユーザーがYouTubeから報酬を得ています。

また、先日は広告に加えて月額課金のシステムを発表しました。

YouTubeが有料チャンネル=月額課金で収入源多様化

米インターネット検索最大手グーグル傘下の動画投稿サイト運営ユーチューブ社は9日、月額課金制の有料チャンネルサービスを始めた。世界で10億人に上るユーザー基盤を活用し、広告以外の収入源の多様化を目指す。

視聴料金は月額0.99ドル(約100円)から。すべてのチャンネルに2週間の無料視聴期間が設けられ、年払いの割引サービスもある。9日から家族向けの「ジム・ヘンソン・ファミリーTV」など53チャンネルを提供。チャンネル数は順次増やす。 

「いいコンテンツを提供すればそれに応じてお金が入る」。

まさに個人の時代をサポートするような仕組みが整備されてきているのです。

YouTubeの最近の成功事例としては、数ヶ月で10億回超という世界記録のPVを獲得し、一躍グローバルスターとなった韓国のラッパー「PSY(サイ)」が有名ですが、一般人でも、アイデア次第で名声と報酬と両方得られる「スター誕生」の登竜門となりつつあります。

たとえば、4月のYouTubeピックアップユーザーに選ばれたインド人のマンジュラさんは、料理の得意な普通の中年女性。6年間ひたすらインド料理のクッキング動画をアップしつづけた結果、チャンネル登録者が8万7千人、人気の動画は200万回を超える再生回数になっています。

YouTubeチャンネル「Manjula's Kitchen」

マンジュラさんのサイトを見る限り、ブログを運営するだけで、広告以外のマネタイズの方法(料理教室や情報商材など)を持っていないようですが、それだけのPVを稼げればGoogleから十分な報酬があり、だからこそ6年も続けていられるのだと思います。

Facebookの武器が「人とのつながり」であるならば、Google+とYouTubeの連合軍の武器は「コンテンツ」。

コンテンツがどんどん無料化していく中、クリエイターを多数抱え、積極的な育成も行い、しっかり報酬を提供しているGoogleにいいコンテンツとコンテンツクリエイターが集まってくるのは自明の理でしょう。

今はまだ人気が今ひとつのGoogle+ですが、今後のFacebookとの戦いぶりに注目したいところです。