働かないの?働けないの?若年無業者について思うこと。

ニートだとか、ひきこもりだとか、最近の若いやつは働きもしないで。どういうことなんだ?

一部の個人的なつながりを超えて、彼ら/彼女らと出会うことがないひとで、特に年配層からとてもよく言われる言葉です。日本は一定の年齢になると働いていることが当たり前であり、働いていないことは社会の一員ですらないような風潮があります。春になるとスーツに実を固めた若者の映像と共に「新社会人」といった言葉が溢れます。

でも、よく考えると私たちは生まれたときから社会の一員であり、働くことで初めて社会人になるわけではありません。企業に就職した場合だと、会社人にはなりますが、働いているかどうかが社会人要件ではないはずです。

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出典:平成25年度版子ども・若者白書

厚生労働省では、15歳から34歳の非労働力人口のうち、通学、家事を行っていない者を「若年無業者」と定義付けています。

15歳から39歳(昨今は15歳から39歳までが若者です)の若年無業者数は80万人を超え、15歳から34歳に占める若年無業者の割合は2.3%と過去最高となっています。

内閣府の調査では、若年無業者を3つに類型化しています。

少し分かりやすく以下の図を参照ください。

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若年無業者は

求職型:就職希望を表明し、かつ求職行動を起こしている若者

非求職型:就業希望は表明していながら、求職活動は行っていない

非希望型:就職希望を表明していない

ニートという状態の若者と、やる気や根性のかかわりとは3類型のなかの「非求職型」と「非希望型」の2類型の定義にある「求職活動は行っていない」と「就職希望を表明していない」の部分がイメージ化されたものだと考えられます。

ただし、そこにはなぜ求職活動を行っていない(行えない)のか、なぜ就職希望を表明しな(できない)のかについての説明がなされることは少ないのではないでしょうか。

これに関して、平成25年度子ども・若者白書では非常にマクロ的ではありますが、調査結果を公表しています。

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上図は就業希望の若年無業者が求職活動をしていない理由です。いわゆる「非求職型」の理由です。下図は、就業希望のない若年無業者が就業を希望しない理由であり、いわゆる「非希望型」について調べています。

どちらも目立つのは二つの山です。

ひとつは「病気・けがのため」です。年代によってバラつきあはありますが、特に30代前半で非常に大きくなっています。もうひとつは「その他」です。ここでは「その他」が何をさしているのか。どんな項目が入っているのかはわかりません。下図の「特に理由はない」という項目は気になります。しかし、詳細に言及されているわけではありません。

これら唯一の大きな調査でも、若年無業者にかかる理由で「やる気がない」「根性不足だ」という理由は項目もありませんし、読み取ることも難しい。もちろん、希望する仕事がなさそう、自信がない、といった項目から気力の有無を導き出すことができないとは思いませんが、そもそもの回答割合が小さく、10%-15%です。

それでもなお、若年無業者と「やる気論」が根強いのは、「働いている/働けている」ことが社会の一員として当然であり、そうでないことは社会人とは言えない、という空気や風土によるものではないでしょうか。また、詳細がわかっていないことから、結局、実態や理由が明確でないが故に、なんとなく「働いている」ひとからすると合意されやすり理由としての「やる気」に流れてしまうのかもしれません。

ちなみに、無業者という定義は何も若者だけのものではありませんが、あまり中高年層と無業の関係はクローズアップされません。