12月の国別の米国債保有額、日本と中国は減少、インドがベスト10入り
米財務省が2月16日に発表した12月の国際資本収支統計における米国債国別保有残高(MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES)によると、海外投資家による米国債の保有高は7兆3146億ドルとなった。前月の7兆2687億ドルからは増加した。増加は2か月連続となる。
MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES https://ticdata.treasury.gov/Publish/mfh.txt
12月の米10年債利回りは上昇基調となっていた。月初は3.5台%となっていたが、月末に向け3.9%近くまでに上昇していた。
12月14日のFOMCでは、利上げ幅をこれまでの0.75%から0.5%に縮小した。しかし、23日に発表された11月の米個人消費支出(PCE)の物価指数はエネルギー・食品を除くコア指数が前年同月比4.7%上昇と予想を上回った。FRBによる利上げが長期化するとの見通しなどから、米10年債利回りは上昇してきた。
あらためて国別の米国債保有残高を確認すると、日本の米国債保有額は1兆763億ドルとなり、前月比60億ドルの減少となったが、引き続きトップは維持した。
2位の中国は8671億ドルとなり、前月比で31億ドルの減少。
2021年12月末対比でみると日本は2245億ドル減少、中国は1732億ドルほど減少させてきた。米長期金利の上昇を受けて価格の下落だけでなく、ポジション調整売りなどによって保有額を減少させてきた可能性がある。
11月に比較して減少したのは日本や中国だが、ベルギーやルクセンブルグ、英国などは増加させていた。また、インドが10位以内に顔を出してきた。
上位10か国の米国債保有額は下記の通り。
国、米国債保有額、前月比(単位、10億ドル)
日本(Japan)、1076.3、-6.0
中国(China, Mainland)、 867.1、-3.1
英国(United Kingdom) 、654.5、+8.7
ベルギー(Belgium )、354.3、+21.4
ルクセンブルク(Luxembourg) 、329.4 +18.3
ケイマン諸島(Cayman Islands )、283.8、+0.3
スイス(Switzerland)、269.7、+3.2
アイルランド(Ireland) 、254.8 +4.5
台湾(Taiwan)、225.5、+1.6
インド(India )、224.1、+5.1