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7月の全国消費者物価指数(除く生鮮)は前年同月比プラス2.4%、iPhoneの一斉値上げも影響か

久保田博幸金融アナリスト
(写真:ロイター/アフロ)

 19日に7月の全国消費者物価指数が発表された。総合指数は前年同月比でプラス2.6%、日銀の物価目標となっている生鮮食品を除く総合指数は前年同月比でプラス2.4%、生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数は前年同月比でプラス1.2%となった。

 コア指数の上昇率は4カ月連続で2%台となった。また、生鮮食品及びエネルギーを除くコアコアも1%台に乗せてきた。

 生鮮食品を除く総合の前年同月比の上昇幅は0.2ポイント拡大したが、エネルギーによる総合の上昇幅は変動なし。電気代、都市ガス代の上昇幅が拡大したものの、ガソリンなどの上昇幅が縮小したことも影響したが、いわゆる高止まりの状態にある。

 生鮮食品を除く食料により総合の上昇幅が0.11ポイント拡大した。7月以降も食料品の値上げは続いている。携帯電話機により総合の上昇幅が0.11ポイント拡大した。7月1日にアップルは日本におけるiPhoneの一斉値上げを発表し、15日から改定された。これは原材料費や物流費の高騰と円安の影響を受けたものといえる。

 ドル円は7月に一時140円台に接近後、8月には130円近くまで下落(円高ドル安)となっている。原油先物はWTIが6月の120ドル台から、ここにきて一時90ドルを割り込んでいる。

 エネルギーと円安による影響は一時的に弱まってはいるが、ここでピークアウトするかどうかは不透明。年末にむけてコア指数が3%台に乗せるとの見方もある。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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