萩生田光一経済産業相は25日の閣議後記者会見で、ガソリンや灯油などの燃油価格の高騰を抑える価格抑制策を初めて発動すると発表した。政府が補助金を投入して市場の価格決定に介入する異例の措置となる(25日付毎日新聞)。

 抑制策は昨年の追加経済対策に盛り込まれ、レギュラーガソリンの全国平均小売価格が1リットル当たり170円を超えた場合に発動する仕組みとなっている。24日時点で170.2円となり、リーマン・ショックに見舞われた2008年9月以来、約13年4か月ぶりに170円を超えたことで価格抑制策が発動する。

 抑制策では、政府が石油元売り会社に1リットル当たり最大5円を事後精算で支給する。25日の発表によると、当初は今後上昇が見込まれる分も加味して支給額は3.4円となる。ガソリンだけでなく、軽油、灯油、重油も対象となる(25日付毎日新聞)。

 補助金によって抑制された卸値をガソリンスタンドが小売価格に反映させるかは各店舗の判断に委ねられているが、価格競争の面からもある程度は引き下げざるを得ないと思われる。

 しかし、これはあくまで消費者の負担を軽減させる措置にすぎず、原油価格そのものの上昇抑制策とはならない。このため、政府は石油の国家備蓄の放出にも踏み切る予定だが、こちらの効果も限定的となろう。

 原油価格の上昇の要因は世界経済の正常化に伴う需要の増加に対して、供給サイドのOPECなどは増産には慎重姿勢となっている。そこに欧州での天然ガスの価格高騰などもあり、エネルギー価格全体の押し上げ要因となっている。

 カーボンニュートラルの動きとともに、今回のウクライナ問題のように政治問題も絡む。ロシアは大規模な石油・天然ガスの埋蔵量を有しており、欧州はロシアへの天然ガスの依存度も高い。

 いまのところ原油価格の下落の要因があまり見当たらず、今後も原油価格が上昇する可能性が高く、WTIが100ドルを回復するとの見方も強い。ウクライナへのロシアからの侵攻がもしも現実化した場合には、天然ガスの価格上昇による需要増に対し、世界経済への悪影響からの需要減の両方の要因が絡む可能性があり、原油価格が乱高下する可能性もある。