南アフリカなどで見つかった新型コロナウイルスの変異株について、世界保健機関(WHO)は11月26日、警戒レベルが最も高い「懸念される変異株」に指定し、ギリシャ文字のアルファベットからオミクロン株と名付けたと発表した。

 28日までに英国、ドイツ、イタリア、オランダなどで新たに感染者が確認された。米国政府とカナダ政府は26日、アフリカ南部からの渡航者の入国を制限する方針を発表した。

 26日の東京市場では南アフリカで新型コロナウイルスの新たな変異株確認との報を受け、リスクオフの動きが強まり、東京株式市場は大幅安となった。日経平均の引けは747円安。

 東京時間の米10年債利回りは1.54%に低下。その後、米国市場ではリスク回避の動きから、さらに米債は買い進まれ、米10年債利回りは1.48%に低下した。

 米国株式市場ではクレジットカードのアメリカン・エキスプレスやボーイング、さらに建機のキャタピラーなど売られた。また米長期金利の急低下を受け、利ざや悪化につながる金融株なども売られた。

 その結果、26日のダウ工業株30種平均は大幅続落となり、905ドル04セント安の34899ドル34セントで引けた。下げ幅、下落率ともに今年最大となった。

 注目すべきは原油先物の動きか。新型コロナウイルスの変異株が見つかったことで、ロックダウンの観測などが拡がり、原油の需要が後退するのではとの警戒感から原油先物は大きく下落した。ニューヨーク商業取引所のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物1月限は10.24ドル安の1バレル=68.15ドルと2020年4月以来の大幅安となった。

 米国の主導のもと中国や日本の備蓄原油を放出するという動きが出ていたが、それによる反応は限定的だった。しかし、オミクロン・ショックがそこに重なったことで原油先物の下げを加速した面もあったとみられる。

 外為市場では条件反射的にリスク回避による円買いが入った。ドル円はここにきて一時115円台を回復するなど円売り圧力が強まっていただけに、その反動も入ったものとみられる。

 オミクロン・ショックは、突発的な材料によって金融市場におけるポジション調整の動きを強めた格好となった。しかし、このリスク回避の動きは一時的なものに止まる可能性もある。これは今後入るオミクロン株の情報次第ではあるが、感染率は高くとも重症化のリスクがそれほど高くなければ、これまでの経験も生かせるはずである。