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ビットコインが先物ETF承認見通しで急騰し6万ドル台に。どうしてETFの承認を好感したのか

久保田博幸金融アナリスト
(写真:アフロ)

 暗号資産(仮想通貨)のビットコインの価格が15日、約半年ぶりに6万ドルを超えた。米証券取引委員会(SEC)がビットコイン先物に連動した上場投資信託(ETF)を近く承認する見通しとなったことが好感された。

 米ETF大手プロシェアーズが15日にSECに提出した書類によると、早ければ18日にも同社のビットコイン先物に連動した商品が承認され、取引が開始される予定だという(16日付日経新聞)。

 過去8年にわたり、複数の資産運用会社がビットコインの現物価格に連動するETF申請をSECに対して行ってきたが承認されたものはなかった。ところが今回は先物ベースであることで承認されたようである。

 ゲイリー・ゲンスラーSEC委員長は仮想通貨に精通しているとされているが、投資家保護の観点で現物の仮想通貨ETFの扱いは厳しい姿勢を示していた。しかし、CMEで取引されているビットコイン先物を運用する格好のものであれば、問題は少ないとの認識であったかと思われる。

 そもそもETFとは何か。

 ETFとはExchange Traded Fundsの略称で「上場投資信託」と呼ばれている。つまり投資信託の一種であり、それが取引所に上場され、株式と同じように取引ができるものである。連動する指数は株式だけでなく、債券やREIT、通貨、コモディティなどの指数がある。

 日銀が量的緩和で買い入れているもののひとつがETFである。日銀は直接株式を購入しているのではなく、取引所に上昇されている株式型のETFを購入している。

 今回、ビットコインが先物ETF承認見通しで急騰した背景としては、ETFの承認によってSECのお墨付きを得たとの認識であったかと思われる。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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