22日のFOMC後のパウエル議長の会見で、11月にも資産購入縮小を開始し、2022年半ばまでにそのプロセスを完了させる可能性を示唆した。公表された金利予測分布図(ドット・プロット)では、当局者の18人のうちの半数の9人が2022年の利上げを見込んでいることが示され、6月時点の7人から増加した。

 英国のイングランド銀行は23日のMPCにおいて、政策金利を過去最低の水準となる0.1%で据え置くとともに、量的緩和の規模を維持することを決めた。年末時点のインフレ率が4%を超え、目標の2%を大きく上回る見通しで、金利上昇の根拠が「強まったもよう」という見解を示した。資産買い入れ枠維持については、ラムスデン副総裁とソーンダーズ委員の2人が国債買い入れ枠の縮小を主張した。

 ノルウェー中央銀行は23日、政策金利をこれまでのゼロから0.25%に引き上げると発表した。オルセン総裁は声明文で「経済の正常化は、政策金利の漸進的な正常化を始めることが適切だと示している」と指摘した。

 23日の米国債券市場では、米10年債利回りは1.43%と前日の1.30%から急上昇し、欧州の債券市場でもドイツの10年債利回りは-0.26%と前日の-0.33%から上昇し、英国の10年債利回りは0.91%と前日の0.80%から急上昇した。

 中国恒大集団の債務問題への警戒感がひとまず和らぎ、リスク回避の巻き戻しの動きが強まったようで、23日の米国株式市場ではダウ平均は506ドル高、ナスダックは155ポイントの上昇となり、原油先物も大きく買われた。

 米債もリスク回避の巻き戻しの動きではあったかもしれないが、ノルウェー中央銀行の利上げやイングランド銀行のMPCの動向から早期の利上げもありうるとの見方、さらにはFRBも想定より早く来年の利上げの可能性などが意識されての米債売りであった可能性がある。

 つまり、ノルウェー中央銀行のオルセン総裁の発言にあったように、経済の正常化によって、金融政策の正常化を始めることが適切だとの認識が強まった可能性がある。

 ちなみに24日に発表された日本の8月の全国消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合で前年同月比で0.0%となった。12か月ぶりに下げ止まった格好ながら、日銀の物価目標2%にはかなりの距離がある。現在の日銀の金融政策の枠組みでは、とてもじゃないが正常化に転身するのは無理、という状況が続いている。