米消費者物価指数を受けて米債は買われる
14日に発表された8月の米消費者物価指数は食品とエネルギーを除いたコア指数で前年同月比4.0%の上昇となった。市場予想をやや下回ったことや、前月比での0.1%の上昇というのは2月以来の低い伸びとなったことで、14日の米債は買われた。しかし、物価水準そのものはまだ高い状態になっていることも確かである。
コア指数は6月に4.5%と約30年ぶりの伸び率を記録したが、その後は2か月連続で上昇率を縮めている。全年に大きく落ち込んだ反動という側面もあり、6月の水準が維持、もしくはそれを上回る伸びとなることは考えづらく、ある意味想定の範囲内でもあったはず。
FRBの物価の目安は2.0%であることを考えると依然として高い位置にいる。FRBの物価の目安はPCEデフレーターではあるが、消費者物価の動向も当然ながら注視していよう。
今回の8月の米消費者物価指数の前月比の伸びが低迷していようとも水準そのものからみて、FRBによる年内のテーパリング開始の可能性が後退したとは思えない。早ければ来週のFOMCでテーパリングが議論され、スタートする可能性もありうる。
ただし、利上げについてはかなり慎重行うことも予想されており、こちらの見方にも変化はないはず。それでも米債が買われていたのは、米長期金利そのものが上がりづらいということを示したものかもしれない。
前回のテーパリングの際も米長期金利は上昇するというよりも、落ち着いた動きを示していた。もしテーパリングが決定されると米債は売られるというよりも、噂で売って事実で買うといった動きをみせる可能性もありうるか。