7月20日に発表された6月の全国消費者物価指数は、総合で前年同月比プラス0.2%、生鮮食品を除く総合で同プラス0.2%、生鮮食品及びエネルギーを除く総合で同マイナス0.2%となった。

 日銀の物価指数でもある生鮮食品を除く総合は、5月に続いて前年比でプラスとなった。原油価格の上昇を受けて、ガソリンが前年同月比で17.9%、灯油が21.4%上昇するなど、エネルギー関係の品目が全体を押し上げた。その反面、携帯電話の通信料は、通信大手各社が大容量プランを導入するなど実質的な値下げの影響により、マイナス27.9%の大幅な下落となった。

 米労働省が7月13日発表した6月の消費者物価指数は前年同月比プラス5.4%となった。5月の5.0%を上回り、2008年8月以来、約13年ぶりの水準となっていた。変動の大きい食品とエネルギーを除く、いわゆるコアCPIの上昇率は前年同月比4.5%となり、こちらの上昇率は1991年11月以来、29年7か月ぶりの大きさとなった

 6月30日に発表されたユーロ圏の6月の消費者物価指数は前年同月比プラス1.9%となり、前月記録した約2年ぶりとなる水準の2%から低下していた。食料品やエネルギーなど変動の激しい項目を除くコアは同0.9%に減速した。

 英国の統計局が7月14日に発表した6月の英国の消費者物価指数は、前年同月比で2.5%上昇した。伸び率は5月より0.4ポイント拡大し、2018年8月以来2年10か月ぶりの大きさになった。原油高で自動車用燃料の値上がりが進み、ロックダウン緩和などから外食や衣料品などにも上昇圧力がかかったとされる。

 7月以降の消費者物価指数については、欧米ともに落ち着いたものとなると予想される。しかし、米国や英国は2%を超えた水準が続く可能性がある。

 物価の上昇だけでなく、コロナ禍の落ち着きなどをみながらFRBはテーパリングのタイミングを模索すると予想され、それよりも早く英国では正常化に向けた動きを始める可能性が出てきた。

 これに対してECBは、8日に2020年1月から実施してきた金融政策などの戦略検証の結果を公表し、物価目標を「2%未満でその近辺」から「2%」に変え、一時的な上振れを容認する姿勢を明確にした。これもあり、正常化に向けた動きは極めて慎重とみられる。

 日銀については目標値を量から金利に戻しており、量の調整は行ったが、金利については少なくとも黒田総裁の就任中の調整は困難との見方が強い。物価そのものも低迷していることで、特に引き上げを求められることはないとみられる。ただし、マイナス金利政策の修正については、いずれ行ってくると期待したい。