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5月の米国債保有高、日本と中国は減少、英国が増加

久保田博幸金融アナリスト
(写真:アフロ)

 米財務省が7月16日に発表した5月の国際資本収支統計における米国債国別保有残高(MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES)によると、海外投資家による米国債の保有高は7兆1350億ドルとなり、4月の7兆703億ドルから増加した。

MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES https://ticdata.treasury.gov/Publish/mfh.txt

 3月18日に米10年債利回りは1.75%近辺まで上昇した。ここが目先のピークとなり、その後、1.7%近辺で推移後、米10年債利回りはいったん低下トレンドに移行した。5月は1.6%を挟んでの動きとなり、方向感に乏しい展開となっていた。

 あらためて国別の米国債保有残高を確認すると、日本の米国債保有額は1兆2662億ドルとなり、前月比106億ドルの減少となったが、引き続きトップは維持した。

 2位の中国は1兆784億ドルとなり、前月比で177億ドルの減少となっていた。5月の中国の外貨準備高は2か月連続で増加していた。

 3位の英国が359億ドルもの増加となり、日本と中国の減少分をカバーした格好に。

 上位10か国の米国債保有額は下記の通り。

国、米国債保有額、前月比(単位、10億ドル)

日本(Japan)、1266.2、-10.6

中国(China, Mainland)、 1078.4、-17.7

英国(United Kingdom) 、467.7、35.9

アイルランド(Ireland) 、304.9 -2.1

ルクセンブルク(Luxembourg) 287.6 -3.4

スイス(Switzerland)、264.9、+3.9

ブラジル(Brazil)、251.8、-3.5

ベルギー(Belgium)、236.4、+1.6

台湾(Taiwan)、236.3、+2.3

ケイマン諸島(Cayman Islands )、228.7、+2.7

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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