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4月の米国債保有高、日本が大きく増加

久保田博幸金融アナリスト
(写真:アフロ)

 米財務省が6月15日に発表した4月の国際資本収支統計における米国債国別保有残高(MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES)によると、海外投資家による米国債の保有高は7兆702億ドルとなり、3月の7兆284億ドルから増加した。

 日本も前月から増加させ、引き続きトップを維持。2位の中国は減少となっていた。

MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES https://ticdata.treasury.gov/Publish/mfh.txt

 3月18日に米10年債利回りは1.75%近辺まで上昇した。ここが目先のピークとなり、その後、1.7%近辺で推移後、米10年債利回りは次第に低下トレンドに移行した。4月に入り、米10年債利回りは一時1.6%割れとなった。米国債利回りの低下の背景に日本などからの買いがあったものとみられる。

 あらためて国別の米国債保有残高を確認すると、2月の日本の米国債保有額は1兆2767億ドルとなり、前月比364億ドルの増加となり、引き続きトップを維持した。

 これに対して、2位の中国は1兆961億ドルとなり、前月比で43億ドルの減少となっていた。4月の中国の外貨準備高は増加していたが、米国債保有額は減少した。

 上位10か国の米国債保有額は下記の通り。

国、米国債保有額、前月比(単位、10億ドル)

日本(Japan)、1276.7、+36.4

中国(China, Mainland)、 1096.1、-4.3

英国(United Kingdom) 、431.8、-11.4

アイルランド(Ireland) 、307.0 -2.8

ルクセンブルク(Luxembourg) 291.0 +8.2

スイス(Switzerland)、261.0、+6.2

ブラジル(Brazil)、255.3、-0.2

ベルギー(Belgium)、234.8、-1.0

台湾(Taiwan)、234.0、+2.5

ケイマン諸島(Cayman Islands )、226.0、10.8

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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