セントルイス連銀のブラード総裁は「インフレ加速でFRBは2022年にも最初の利上げをするだろう」との考えを示した。ドットチャートの見通しよりも前倒しでの利上げの可能性を指摘した格好となった。ブラード総裁はハト派とされ、意外感も手伝ったとみられる。

 これを受けて18日の米国株式市場では、ダウ平均は続落し533ドル安となり、この週のダウ平均は1189ドル下げ、週間では今年最大の下落幅となった。ナスダックも130ポイントの下落に。

 ダウ平均の日足チャートからは、これによっていったん調整局面入りしてきた可能性がある。

 21日の東京株式市場も大幅に下落し、前場に日経平均は一時800円を超す下げとなった。東京市場でも投資家のリスク回避姿勢が強まった。

 ブラード総裁の発言を受けて、米国債券市場では長短金利差がさらに縮小し、イールドカーブはフラット化を強めた。利上げ観測が強まると、短い期間の利回りに低下圧力が掛かるのは常である。しかし、長期債の利回りがここまで低下するのにはやや意外感もあった。

 ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は18日、労働市場が新型コロナウイルス禍前の力強さを取り戻せるよう、少なくとも2023年末まではゼロ金利を維持することが望ましいという考えを示した。

 これに対して市場はほとんど反応は示さなかった。現状、ブラード総裁の発言もカシュカリ総裁の発言もあくまで個人的な見通しを示したに過ぎない。

 しかし、16日のFOMCの参加者の先行きの見通しを示すドットチャートでは、参加者18人のうち13人が2023年内の利上げを予想し、2023年予想の政策金利の中央値は0.625%と年に2回(計0.5%)の利上げの見通しが示されていた。

 これで市場では、あらためてFRBの利上げの可能性が意識した。それまではテーパリング検討がどのタイミングで発表されるのかを意識していたはずが、テーパリングを飛び越して利上げを意識しはじめたのである。

 FRBもこれはある程度は想定していたと思われるが、それでも2013年5月のバーナンキ・ショックとかテーパータントラムと呼ばれた市場の動揺はなるべく回避したい意向であることも確かか。

 パウエル議長のいうところの「市場と対話を重ねる」ことも必要であろう。ただし、注意すべきは2013年以上に市場が過熱してしまっている点である。その分、調整幅が大きくなる可能性がある。歴史は繰り返される可能性も意識しておく必要はあるのかもしれない。