6月1日に欧州連合(EU)統計局が発表した5月のユーロ圏消費者物価指数は前年比2.0%上昇となり、前月の1.6%の上昇から伸びが加速した。

 米国労働省が6月10日に発表した米国の5月の消費者物価指数は前年同月比5.0%上昇し、2008年8月以来、約13年ぶりの大幅な伸びとなった。変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は同3.8%上昇となった。

 英国立統計局が6月16日に発表した英国の5月の消費者物価指数は前年比2.1%上昇し、伸び率は2019年7月以来の大きさとなった。変動が大きい食品・エネルギーを除いたコアCPIは前年比2.0%の上昇。

 総務省が18日に発表した日本の5月の全国消費者物価指数は、総合で前年同月比マイナス0.1%、生鮮食料品を除く総合で同プラス0.1%、生鮮食品及びエネルギーを除く総合でマイナス0.2%となった。日銀の物価目標である生鮮食料品を除く総合が、前年比でプラス圏に浮上するのは、2020年3月以来となった。

 この欧米と比較した数字を見る限り、日本の消費者物価指数だけがデフレ圧力が強いようにみえてしまう。だから日銀は大胆な緩和を行ったともいえるのかもしれないが、その大胆な緩和を行ってから、はや8年が経過している。日銀の大胆な緩和でも物価は上がってこなかった。

 これからみても日本の消費者物価指数での2%という数値目標は本当に正しいものであったのかという疑問は残ろう。

 ちなみに日銀が6月10日発表した5月の国内企業物価指数は前年同月比で4.9%上昇となっていた。企業物価指数で見る限り、欧米の物価指数と比べて遜色はない。企業物価に比べて消費者物価が極端に低いのは、日本の企業が頑張って価格転嫁を抑えているからという見方もできるかもしれないが、本当にそういう見方で良いのであろうか。

 米労働省が15日に発表した5月の卸売物価指数は前年同月比伸6.6%の上昇となり、2010年11月以降で最大となっていた。

 それぞれ物価指数の算出の仕方は異なる面もあるが、日本の消費者物価指数だけが異様に低くみえるのは何故なのか。少なくとも日銀の緩和が足りない、などという理屈はもう通じないし、消費増税がいまだに影響しているという理屈も通じないはずである。