5月の日銀によるETFの買入はゼロとなった。これは2013年に日銀が量的・質的緩和、いわゆる異次元緩和を導入してからは初のことになる。

 日銀は今年3月の金融政策決定会合において、ETFの原則で年6兆円としていた購入の目安は削除され、ETFの買い入れ対象はTOPIX連動型のみとし、日経平均株価連動型は外した。

 今後のETFの買入については「必要に応じて、買入れを行う」としていた。5月に入り、東京株式市場は11日から13日に掛けて大きく下落していた。しかし、この際も日銀によるETFの買入はなく、13日以降の東京株式市場は戻り歩調となっており、この間の買入もなかった。

 日銀は2016年9月21日の金融政策決定会合において、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」と名付けられた金融政策の新しい枠組みの導入を決めた。この際に日銀が金融政策における政策目標を「量」から「金利」に戻している。

 日銀の枠組み変更に「マネタリーベースの目標値」がなくなっており、その代わりにこれ以降は「金融市場調節方針は、長短金利の操作についての方針を示すこととする」とあり、このため量による縛りがなくなった。

 それ以前にすでに国債の買い入れそのものも柔軟化しており、実質的に減額していた。これは市場からの買入みに限界があったことも大きな要因であったと思う。さらに債券市場への日銀の影響度が過度に大きくなることも意識したかもしれない(実際には長期金利コントロールという手段が組み入れられたが)。

 そしてETFの買入の柔軟化も株式市場への日銀の影響度を少しでも軽減させようとする措置であるとみている。今後は突発的な株式市場の急落の際には買入を行うことも予想されるが、購入額ゼロの月も増えてくるのではなかろうか。これにより市場における日銀依存度も後退してくると期待したい。