Yahoo!ニュース

米国のダウ平均と日経平均の連動性

久保田博幸金融アナリスト
(写真:ロイター/アフロ)

 ここにきて株式市場が大きく荒れている。日替わりで大きく上げたり下げたりしており、市場ではやや方向感を掴めないでいるようにみえる。米国の代表的な株価指数のダウ平均やS&P500種が過去最高値を更新していたこともあり、いわゆる高値波乱というものであろうか。

 下記は4月に入ってからの日経平均とダウ平均の前日比を並べてみたものである。日経平均の前日比をみると、1日から6日の4営業日は200円を超す上げ下げ、その後の3日間は100円に満たない動き、その後の3日間は100円を超す動き、その後の3日間は50円にも満たない動き、そしてここ3日間は500円を超す動きとなるなど、ある程度の周期性があるように思われる。

 そしてこれは株式市場の代表的なアノマリー(経験的に観測できるマーケットの規則性)ともいえるものだが、東京株式市場は前営業日の米国株式市場の動向の影響を受けやすい。

 4月に入り、前日の米国株式市場と東京株式市場の日経平均の連動性をみると、5日のダウ平均の上昇に対し6日の東京株式市場は大きく下落していた。6日から7日にかけてと7日から8日にかけても連動性はなかったが、値幅が大きくないため誤差範疇か。しかし、9日のダウ平均の上昇に対して12日の日経平均は下落した。12日のダウ平均は下落したが、13日の日経平均は上昇した。

 もちろんこれはあくまで数字だけを追ったものであり、それぞれ上げ下げする材料が出た結果でもある。東京株式市場が米国株式市場の上げ下げだけで、強弱が決まるものにではない。しかし、国内での材料があまり見当たらない場合には、連動性は大きくなるようである。それがここ数日の東京株式市場の動向にも現れているように思われる。

1日、210円高、171ドル高

2日、465円高、休場

5日、235円高、373ドル高

6日、392円安、96ドル安

7日、34円高、16ドル高

8日、21円安、57ドル高

9日、59円高、297ドル高

12日、229円安、55ドル安

13日、212円高、68ドル安

14日、130円安、53ドル高

15日、21円高、305ドル高

16日、40円高、164ドル高

19日、2円高、123ドル安

20日、584円安、256ドル安

21日、591円安、316ドル高

22日、679円高、321ドル安

23日、167円安、227ドル高

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

牛さん熊さんの本日の債券

税込1,100円/月初月無料投稿頻度:月20回程度(不定期)

「牛さん熊さんの本日の債券」では毎営業日の朝と引け後に、当日の債券市場を中心とした金融市場の動きを牛さんと熊さんの会話形式にてお伝えします。昼には金融に絡んだコラムも配信します。国債を中心とした債券のこと、日銀の動きなど、市場関係者のみならず、個人投資家の方、金融に関心ある一般の方からも、さらっと読めてしっかりわかるとの評判をいただいております。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

久保田博幸の最近の記事