世界初の環境目標連動の社債が日本で発行予定
25日付け日経新聞朝刊に「環境目標連動の社債、未達なら金利上昇 ヒューリック」という記事が掲載された。
最近関心の高まっているESG(環境・社会・企業統治)に関連した社債であるが、「環境目標連動」という部分が特徴の債券となる。
環境目標連動債とは「サステナビリティー・リンク・ボンド」の日本語訳となる。
日経新聞によると、国際資本市場協会(ICMA)は今年6月にサステナビリティー・リンク・ボンドに関する原則を出した。ESG目標と条件変更との関係や、発行後の情報開示、第三者機関の認証など大枠を定めている。
今回、日本の不動産大手のヒューリックが発行する社債はこの原則に沿った世界初の発行となるとか。
これまでのESG債と呼ばれるものは、調達した資金の使い道を環境や社会貢献の事業に限定しているのに対し、サステナビリティー・リンク・ボンドは調達した資金を自由に使える一方で、自ら立てた環境目標を達成しないと支払い負担が増える仕組みとなる。
ヒューリックは発電設備を自社開発して本社やグループ会社が入るビルの使用電力を100%再生可能エネルギーにすることと、国内初となる耐火木造12階建ての商業施設の竣工という目標を掲げ、これが達成できないと社債の金利が0.1%上がる仕組みとなっているようである。
環境目標連動の融資はすでに日本でも行われているようだが、融資に比べて幅広い投資家が参加できる債券のかたちでの発行は世界初となるとか。
昨日、三菱UFJフィナンシャル・グループの発行する世界初の個人向けのコロナ債を紹介したが、こちらの社債にも関心が集まりそうである。