日本の消費者物価指数(除く生鮮)は、3年4か月ぶりに前年比マイナスに転じる

(写真:アフロ)

 総務省が22日に発表した4月の全国消費者物価指数は、総合で前年同月比プラス0.1%、生鮮食品を除く総合で同マイナス0.2%、生鮮食品及びエネルギーを除く総合で同プラス0.2%となった。

 ちなみにこれらの数値には昨年10月の消費増税引き上げの影響が加味されている。その影響を除くとさらに低い数字になると予想される。

 日銀の物価目標でもある生鮮食品を除く総合がマイナスとなったのは、2016年12月以来、3年4か月ぶりとなる。

 総合は3月のプラス0.4%からプラス0.1%に、生鮮食品を除く総合は3月のプラス0.4%からマイナス0.2%に、生鮮食品及びエネルギーを除く総合は3月のプラス0.6%から0.2%となっている。

 この落ち込みの要因としては当然ながら、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の自粛が影響している。さらにそれによる原油需要の後退から原油価格の大幅な下落も影響していた。

 生鮮食品など生活必需品は巣ごもりにより需要が強まり価格は上昇したが、ガソリン、や灯油の価格は下落したことで、生鮮食品を除く総合がマイナスに転じたといえる。

 いまさらながらではあるが、このように特に日本の消費者物価指数は原油価格の影響を大きく受けやすい。日銀が金利をマイナスに導こうが、国債を大量に購入しても、それは直接、消費者物価指数の上昇に結びつくわけではない。

 今回の生鮮食品を除く総合のマイナス化は一時的なものとなる可能性は高いとみている。実際に原油価格は落ち着きを取り戻してきており、緊急事態宣言も徐々に解除され、経済活動も少しずつながら再開しつつある。油断は禁物ながらも、消費者物価のマイナスが恒常化するとは考えづらい。

 しかし、日銀の2%という物価目標がさらに遠ざかっているのも確かである。だから追加緩和というのではなく、物価に対して金融政策は能動的には動かせないことをあらためて認識すべきではないかと思う。

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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