日銀は4月27日の金融政策決定会合で追加緩和を決定した。当初の予定では27日、28日の二日間にわたり開催される予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に万全を期す観点から、会合の時間を短縮することになり、27日のみの開催となり開催時間も短縮された。

 27日の金融政策決定会合では、金融機関や企業等の資金調達の円滑確保に万全を期すとともに、金融市場の安定を維持する観点から、追加緩和策を決定した。公表文のタイトルは「金融緩和の強化について」となっていた。

 柱は3つ。ひとつはCP・社債等の追加買入枠を大幅に拡大し、合計約20兆円の残高を上限に買入れを実施する。追加買入枠をそれぞれ1兆円から7.5 兆円に増額し、既存枠の2兆円と3兆円と合わせ合計で約20兆円となる。買入対象とする社債等の残存期間をこれまでの3年から5年まで延長する。ただし、同日発表された「コマーシャル・ペーパーおよび社債等買入基本要領の一部改正について」、によると社債等の買入対象は、令和2年9月30日までの間となっており、期限が定められている。

 ふたつめは、3月に導入・開始した新型コロナウイルス感染症にかかる企業金融支援特別オペ(新型コロナ対応金融支援特別オペ)について、拡充をはかる。対象担保範囲の家計債務を含めた民間債務全般への拡大、対象担保約8兆円から約23兆円に拡大、対象先の拡大(新たに、系統会員金融機関等を含める)、本オペの利用残高に相当する当座預金へのプラス0.1%の付利の3つの措置を講じる。

 そして3つめは、国債のさらなる積極的な買入れとなる。長期金利については、10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、上限を設けず必要な金額の長期国債の買入れを行う。その際、金利は、経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動しうるものとする。

 CP・社債等の追加買入枠を大幅に拡大することについては、FRBやECBなども意識したものといえる。ただし、日本の社債市場はそれほど大きなものではなく、時限措置とはいえ、国債と同様に市場における日銀の影響力が大きくならざるを得ない。

 FRBは3月のFOMCにおいて、米国債や住宅ローン担保証券(MBS)の買い入れ量を「当面」無制限とする緊急措置を決めた。結果としてこれに日銀も合わせた格好となり、80兆円という数値目標を今回取り外した。

 同日に5月の日銀による国債買入予定も発表された。買入額が増える見込みだがそれほど大胆に増えるわけではない。

 日銀が国債のさらなる積極的な買入れを行う理由として、「債券市場の流動性が低下しているもとで、政府の緊急経済対策により国債発行が増加することの影響も踏まえ、債券市場の安定を維持し、イールドカーブ全体を低位で安定させる観点から」とある。

 そもそも流動性を低下させる原因が日銀の国債買入とイールドカーブコントロールにある。それに加えて、ここにきて市場参加者も自宅待機の人も多くなったために流動性が失われている。

 これに「政府の緊急経済対策により国債発行が増加することの影響も踏まえ」ともある。7月以降の国債増発を見越して長期金利の上昇を抑制するというのがとりあえずの目的となろうが、財政と組み合わせてしまうことにリスクはないのか。

 イールドカーブ全体を低位で安定させる観点からともあるが、いまのところ多少の金利の上げ下げはあっても低位で安定している。国債への信認は揺らいでいないが、もし金利が動くとすれば、この信認そのものへの疑問が出た際となる可能性もあり、ここには十分に気をつけていただきたいと思う。