12月末の投資家別の日本国債保有額
日銀は3月18日に資金循環統計(2019年10~12月期速報値)を発表した。これによると個人の金融資産は12月末時点で約1903兆円となり、9月末の約1864兆円から増加した。個人の金融資産の内訳は、現金・預金が前年比で2.3%増の約1008兆円となっていた。株式等が同13.5%増の約211兆円、投資信託は同10.9%増の約74兆円となっていた。株式等と投資信託は5四半期ぶりにプラスに転じた。
この資金循環統計を基に国債(短期債除く)の保有者別の内訳を算出してみた。
残高トップの日銀の国債保有残高は485兆1888億円、46.8%のシェアとなった。前期比(速報値)からは4兆7621億円の減少となる。
残高2位の保険・年金基金は250兆6997億円(24.2%)、2兆6614億円減。
残高3位は預金取扱機関(都銀や地銀など)で133兆7040億円(12.9%)、1兆81億円増。
残高4位が海外投資家で78兆5714億円(7.6%)、7822億円減。
残高5位が公的年金の42兆9773億円(4.1%)、2437億円減。
残高6位が家計の13兆5253億円(1.3%)、981億円増。
その他が32兆7152億円(3.2%)、1兆2661億円減となっていた。
2019年9月末に比べ国債(短期債除く)の残高は8兆6093億円減の1037兆3817億円となった。(こちらの国債残高は時価ベース)。
9月末に比べて増加したのは預金取扱機関(都銀や地銀など)。日銀や保険・年金、海外などは残高を減少させた格好となり、前期までとやや様相が異なってきた。10月から12月にかけて、債券相場そのものが下落していたことも影響したとみられる。
短期債を含めた国債全体の数字でみると残高は約1132兆円となり、日銀が約495兆円で43.7%のシェアに。海外勢の残高は約145兆円と短期債を含めると国債全体の12.8%のシェアとなっていた。
債券相場というか金融市場そのものが今年に入り、大きな変動に見舞われており、投資家別の国債保有額にどのような変化が生じているのかも確認したい。