昨年12月の米国債保有額、日本はトップを継続、中国はさらに保有額を減少
米財務省が発表した12月の国際資本収支統計における米国債国別保有残高(MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES)によると、日本は前月から減少させたものの、引き続きトップを維持した。
MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES
日本の12月における米国債保有額は1兆1549億ドルとなり、前月比で59億ドル減少した。これに対して中国は1兆699億ドルと、前月比で193億ドルもの減少となった。この結果、日本と中国の米国債残高の差は再び拡大し、日本のトップは7か月連続となった。
国、米国債保有額、前月比(単位、10億ドル)
日本(Japan) 1154.9 -5.9
中国(China, Mainland) 1069.9 -19.3
英国(United Kingdom) 332.6 +4.0
ブラジル(Brazil) 281.9 -11.5
アイルランド(Ireland) 281.8 -8.2
ルクセンブルク(Luxembourg) 254.6 -7.5
スイス(Switzerland) 237.5 +4.1
ケイマン諸島(Cayman Islands) 230.5 +8.1
香港(Hong Kong) 223.3 -0.6
ベルギー(Belgium) 210.2 +5.1
米10年債利回りは9月半ばに1.9%近くまで上昇した後、10月上旬に向けて再び1.5%台に低下した。その後はじりじりと上昇基調となり、11月上旬には一時2%に接近した。その後は12月末にかけて、1.7%から1.9%あたりのレンジ内の動きとなっていた。
米10年債利回りの推移をみると三角持ち合いとなりつつあり、その頂点が12月末あたりとなっていた。このため、その後にあらためてトレンドを形成するような動きとなることが予想された。
今年1月以降の米10年債利回りは再び低下基調となった。当初は中東情勢の緊迫化によるリスク回避によるものとなった。
米国防総省は1月2日、イラン革命防衛隊の精鋭組織コッズ部隊のカセム・ソレイマニ司令官を空爆で殺害したと発表。そして、東京時間での8日朝、イランがイラクの駐留米軍基地に十数発以上の弾道ミサイルを発射した。しかし、これによる人的被害はなかったことで、リスク回避の動きは一時的なものになるかにみえた。
ところが、今度は中国での新型コロナウイルスの拡大というあらたなリスクが現れ、米10年債利回りはさらに低下することになる。